安全への取り組み
Uberの事件事故を避ける安全性の取り組み
Uberが2017年2018年のSafetyレポートを公開した。Uberのライド数は年間10億件を超えているので事故や性的暴行事件の発生件数も数千件の単位になっている。同様の事件は、他のライドシェア企業でも報告されており、ライドシェアの安全性が問われている。
マレーシア出身のGrabのCOO Co-Founder Tan Hooi Ling氏も取材インタビューでGrabを創業した際のモチベーションとして、母親が娘である自分の仕事帰りのTaxiが安全に着くか不安でソファでずっと待っていたことを挙げている。仕事帰りのTaxiに乗る際に、予め決めたルート上の特定ポイントを通過する際に、母親に安全を知らせるテキストを送付していたのだという。Mobileで位置情報を共有できるようになり、この課題を解決できる可能性を感じてGrabを創業したという。
Uberも安全への取り組みを進めている。Grabの創業者のモチベーションをそのまま形にしたTripのシェア機能Share My Tripに始まり、5名の友人にシェアできるTrusted Contacts, Microsoftの顔認証技術を活用したリアルでの本人確認などにより、望まれない事件の発生件数を削減しようとしている。
また、安全な運転を促進する観点からもいくつかの工夫を行っている。スマートフォンのセンサーを活用したRideCheckという機能をリリースし、衝突の可能性や予期しない長時間停車などの安全性への異変を検知できるようにしている。加えて、制限時速に対するアラート機能や12時間のライドの後は、6時間Uber Appへの接続ができない睡眠確保促進機能も開発している。テクノロジーを活用した様々な安全の取り組みが進むことを願いたい。(右表参照)
ヘルメットつき電動自転車
安全性に配慮したWheels社が$50Mの資金調達を完了した。Wheels社は、電動自転車の事故で病院に搬送された患者の50%が頭部にけがをしており、15%は外傷性脳損傷となっていることに注目した。ヘルメットの着用により、頭部の48%のケガを回避でき、重症化を60%予防できる(※1)ことから、ペダル無し電動自転車と連動するヘルメットシステム「smart」を開発した。ヘルメットは停車時は自転車の後部のフェンダーに固定できるようになっており、ライダーがヘルメットを被っているかどうかを感知するセンサーが搭載されている。運転者がヘルメットを被るインセンティブを持つようにヘルメットの装着により20%の割引を提供する予定とのことである。
※1(会社HPより引用)https://www.takewheels.com/post/wheels-smart-integrated-helmet-system
乗り捨てガソリンスクーター
乗り捨てガソリンスクーターのBounceが$150Mの資金調達を発表した。Bounceは、17000台あまりを、インドの36都市で展開する。インドはUberとOlaがしのぎを削る市場として知られており、モビリティ領域での市場参入は困難と考えられてきた。
BounceのCEOであるVivekananda氏は、「ドライバーがいるモデルでは採算が取れない。」と語り、スクーターの乗り捨てシェアモデルを構築した。2億人が免許を持ち、毎年2000万台のスクーターが購入されるスクーター市場で事業を拡大している。参考:https://techcrunch.com/2019/11/27/bounce-series-d/