新型コロナウイルス(以下、COVID-19)感染予防のためには免疫力を高める必要性があるのは周知の事実となってきました。今回は、重症化しやすいと言われている高齢者や子供、妊婦の方でも、おうちで簡単にできる予防対策や免疫力アップの方法をご紹介します。
◆高齢者・子供・妊婦
高齢者がCOVID-19に感染すると重病になる確率が高いとされているのは、加齢に伴う免疫力低下のために身体の様々な臓器の機能も低下しているからです。しかも、高齢者は症状が顕著に出にくいという特徴があり、感染に気づかないまま体内でウイルスが増殖していき、体がだるさや咳といった症状が出ても放置し、病院に駆け付けた時には重症化しているということもあります。加えて家で過ごす時間が多く運動不足による虚弱が進み、心身や脳の機能が低下していき感染したときに重症化しやすくなるのです。
また、感染すると重症化しやすいのが子供と妊婦だと言われています。子供の場合、感染者数は少ないですが感染のしやすさは大人と同じということが分かってきています。肺炎にまでいたる割合は大人よりも少ない傾向にあるとされていますが、乳児や、喘息など呼吸器系の病気を持っている子供は重症化しやすく、注意が必要です。子供は予防のためにマスクを装着して長時間過ごすことが難しいため、まずは親が感染しないということが予防になります。
そして、一般的に妊娠中に肺炎を起こした場合、妊娠していない時に比べて重症化する可能性があります。妊娠特有の免疫バランスや心肺機能の変化が影響する可能性がありますので、不必要な外出を控えるなどの注意が必要です。
◆どんな持病を持っている人が重症化しやすい? 喫煙者は?
特に呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など)を持つ方がCOVID-19に感染すると重症化しやすく持病自体を悪化させる可能性もあると言われてます。また糖尿病、心不全の基礎疾患がある方や透析を受けている方、免疫抑制薬や抗がん薬などを用いている方などといわれています。持病がない方でも、COVID-19で重症化しやくなる可能性があるのが喫煙者です。電子たばこを含む喫煙はCOVID-19の重症化リスクが高いと報告されています。アメリカの医学誌によると人工呼吸器を必要とする患者や死亡患者の症例の25%以上が以前もしくは現在喫煙をしていた方というデータがあり、WHOでは現在喫煙者の禁煙を勧めています。
同じ環境下でも感染者と非感染者が出てしまうのには自己免疫力の違いが大いに関係してきます。体が本来持つ抵抗力を落とさないようにするためにも、以下ご紹介している「睡眠と適度な運動」「食事による栄養補給」、そして「持病の管理」が大切です。
❶睡眠と適度な運動
病気になると睡眠で回復しようと身体は働きますが、予防も同じで十分に睡眠が取れないと、一晩のうちに免疫システムが生産する抗体やサイトカインが制限され、感染症を撃退する身体能力は低下し感染しやすくなります。また、激しすぎる運動も、運動不足も免疫を落としますが、汗を軽くかく程度の適度な運動は血流をよくし、免疫をよりよく働かせる効果があるので積極的に行いたいものです。
❷ 栄養補給
身体の抗酸化能力を最大化しておくこと、つまり十分な栄養を摂っていればウィルス感染の予防になるということです。また高用量のビタミンCによって劇的に流行を遅らせるという結果が出ています。ビタミンCをたくさん含む果物や食物は毎日の食卓でしっかり摂っていきましょう。
また腸内環境を整えることで自己免疫力が上がるという研究結果も報告されています。ヨーグルトや納豆などの発酵食品には、乳酸菌やビフィズス菌などの腸内環境を良くする善玉菌を多く含んでいるので、積極的に摂っていくことが大事です。もし食事からの栄養補給が難しい場合は、サプリメントや栄養ドリンクでも取り入れたいものです。
❸持病の管理
前半にも書きましたが、特に血糖のコントロールが良くないと免疫力が下がります。コロナウイルスに感染した肺炎患者のうち、糖尿病や高血圧、心臓病などの基礎疾患を持った方々の多いようです。感染または感染時の重症化を防ぐためにも、血糖値をできるだけ正常に保つことが大切です。
しっかり眠り、しっかり運動し、しっかり栄養補給、そして持病の管理と、外出の際には3密を避けて感染予防対策を万全に心がけていきましょう。