カリフォルニア州の控訴裁判所は20日、配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズと同リフトのドライバーを21日までに従業員と分類するよう求める下級審の判決を差し止めた。両社は上訴しているが、差し止めにより、両社は上訴期間中も同州での営業を継続できることとなった。両社首脳は運転手に対し医療保険や残業手当などの提供を急に迫られた場合、カリフォルニア州で一時的な事業停止を余儀なくされる可能性に言及していた。高裁での審理は10月13日に行われる予定。リフトとウーバーは11月に予定する住民投票で「ギグワーカー」らの権利を守る州法AB5に代わるギグワーカー保護のルールを住民立法によって策定する考え。一方、加州のべセラ司法長官は20日、ツイッターに「企業は労働者を従業員として分類しつつ、技術革新を促進し続けることができる」と投稿した。
カリフォルニア 山火事
避難者はコロナ感染懸念
カリフォルニア州で発生した落雷による山火事は21日、被害面積が2倍以上に拡大し、同州史上で最大規模となった。山火事のうち最大級のものは「LNU Lightning Complex」と名付けられた。火災発生地域はロサンゼルスの約2倍に相当する。21日までに少なくとも6人が死亡し、負傷者は消防士・住民合わせて43人となった。被害を受けた家屋などは500軒以上。避難を余儀なくされた住民は17万5000人に上っているが、その多くは避難先を見つけることが困難で、新型コロナウイルス感染症のリスクを懸念して当局が設置した避難センターの利用に消極的だという。
世界最大の蓄電設備着工
テスラとPG&E
テスラとPG&Eは、カリフォルニア州モスランディングで大規模な蓄電施設を着工した。完成すれば世界最大の蓄電設備となる見通しで、来年の稼働開始をめざしている。施設には、テスラのリチウムイオン蓄電システムを256基設置。施設の蓄電能力は最大1.2ギガワット時まで拡充することができるという。これはサンフランシスコの全世帯に6時間電力を供給できる規模。施設が稼働すれば、電力網での需要急増への臨機応変な対応や再生可能エネルギー発電による負荷の平準化の向上が期待される。施設の設計・建設・保守管理はテスラとPG&Eが共同で行い、所有権はPG&Eがもつ。
テスラ株急伸
マスクCEO世界第4位の富豪に
17日の米株式市場でテスラの株価は急伸し、時価総額で消費財大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)を追い抜いた。テスラの現在の時価総額は約3420億ドル、P&Gは3370億ドル。中国製テスラ車の7月登録台数が前月比で減少したにもかかわらず、同社株は11%高の1835. 64ドルと上場来最高値を更新した。これにより同社の筆頭株主であるイーロン・マスクCEOの純資産は78億ドル増加。これにより、マスク氏は世界4位の富豪となった。マスク氏の純資産は848億ドルで、富豪3位のフェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOとの差は150億ドル未満になった。
排ガス削減で最終合意
フォード、BMW、ホンダ、VW、ボルボ
カリフォルニア州大気資源局(CARB)は17日、フォード、BMW、フォルクスワーゲン、ホンダ、ボルボとの間に、州独自の排出基準に従うとする拘束力ある協定を締結したと発表した。社は合意した内容に基づいて、ゼロ・エミッション車両への切り替えを促進するほか、2026年までに米国で販売する自動車の燃費を平均38マイル/ガロンから平均51マイル/ガロンに引き上げる。トランプ政権は今年3月、オバマ前政権が導入した自動車の燃費基準の撤廃手続きを完了し、その後環境保護庁(EPA)によるカリフォルニア州が独自の基準を設ける許可を取り消した。
アップルに手数料下げ打診
米欧主要紙
ニューヨーク・タイムズなど米欧主要メディアが加盟する業界団体は21日までに、アップルのクックCEOに書簡を送り、同社のアプリ配信サイト「アップストア」の手数料引き下げを求める考えを明らかにした。iOSアプリを介したサブスクリプションは通常、初回購読者から30%の手数料を徴収、1年後には15%に引き下げられるが、アマゾンに対しては初回から15%を提示していた証拠が米下院反トラスト小委員会の公聴会で明らかとなった。また、クック氏は、アマゾンに提示した手数料の値下げは「条件を満たす人なら誰でも利用できる」と証言していた。
ゴールデン・ステート・キラー
仮釈放なしの終身刑
1970~80年代にカリフォルニア州で殺人や強姦などの犯行を繰り返したとして「ゴールデン・ステート・キラー」と呼ばれ、第1級殺人罪などに問われた元警官ジョセフ・ディエンジェロ被告に、サクラメントの裁判所は21日、仮釈放を認めない終身刑の判決を言い渡した。判決を前にディアンジェロ被告は「私が傷つけた皆さんには心からお詫びいたします。以上です、判事」と述べた。また、マイケル・ボウマン判事は「被告には情状酌量の余地はありません」と述べた。被告の妹は、犯行は軍人だった父親から虐待を受けたことが原因だと述べた。