「iOS 14」導入で広告事業が大打撃か フェイスブック

フェイスブックは先月26日、アップルが近く導入する新基本ソフト「iOS 14」の搭載端末からは、自社のアプリを通じた利用者ごとの端末データ収集をやめると明らかにした。これにより、「オーディエンス・ネットワーク」と呼ばれる開発者向け広告プラットフォームを含む同社のターゲット広告事業には大打撃が予想される。アップルは2020年秋に「iOS 14」をリリースするとみられているが、その一環として、同社はアプリに関するプライバシーポリシーを変更し、ユーザーの許可がなければアプリがiPhoneやiPadの個体番号を識別するIDFA(広告識別子)と呼ばれるこのデータを収集・共有できないようにしようとしている。IDFAは、企業による広告のターゲティングやその効果の測定に利用されている。フェイスブックは「iOS 14」ユーザー向けサービスを全面的に廃止することも検討している。

アップルストアは革新を阻害
ザッカーバーグ氏

フェイスブックのザッカーバーグCEOは先月27日、社内の全体会議でアップルのアップルストアが独占的で顧客にとって有害と批判した。BuzzFeed Newsが報じた。ザッカーバーグ氏は5万人以上の従業員に向けたWeb会議にて、アップルが「携帯電話に何が入れられるかの門番として、独自の生殺与奪を握っている」と語ったという。また、同氏は「アップルが独占的な賃料を請求できる」アップストアが「革新をブロックし、競争を阻害している」とも述べたという。さらに、アップルのエピック・ゲームズに対する姿勢を「非常に攻撃的な動き」で、「非常に問題がある」と批判した。

エピック・ゲームズのアップストアアカウントを完全削除
アップル

アップルは先月28日、人気ゲーム「フォートナイト」を運営するエピック・ゲームズの「アップルストア」開発者アカウントを打ち切った。アップルの手数料や規約を巡る両社の対立が激しくなっている。開発者アカウントの終了で、エピックは新たなアプリの提示やアップストアの更新ができなくなる。今回の措置についてアップルは「エピックのアップストアアカウントを打ち切らざるを得なくなったことに失望している」としている。一方、エピックは発表資料で、「アップルはフォートナイトに関してアップル決済だけを使うよう求めている」と指摘した。

ペスト菌感染者確認
エルドラド郡

先月17日、エルドラド郡サウス・レイク・タホの住民がペストに感染したことが明らかとなった。犬と散歩している際、ペスト菌に感染したノミに噛まれたとみられている。カリフォルニア州でペスト感染者が確認されたのは、2015年8月にヨセミテ国立公園でペスト感染者2名が確認されて以来、5年ぶり。感染者は自宅で療養し、回復に向かっているという。ペスト菌はカリフォルニア州の多くの地域に存在する。野生の齧歯類との接触で感染する可能性がある。感染から7日以内に発症し、適切な治療が行われなければ、致死率は30%〜100%と極めて高い。

大統領投稿に警告メッセージ
ツイッター

ツイッターは、大統領選挙の郵便投票を批判するトランプ大統領の投稿について警告メッセージを表示した。トランプ大統領は先月23日、自身のツイッターに、「民主党員は郵便ポストを使用しているが、有権者の安全面で最悪だ。1人で複数回投票できてしまう。新型コロナウイルスの消毒もされていない。ひどい詐欺行為だ」と投稿。ツイッターはこの投稿について、「市民と選挙の清廉さに関するツイッターのルールに違反している」と警告メッセージを表示した。同社は大統領の投稿は人々の投票意欲をそぐものだとしている。

フェイスブック、報道機関に記事使用料支払い
英国、ドイツ、フランス、インド、ブラジルでも

フェイスブックは先月25日、今後数カ月中に英国、ドイツ、フランス、インド、ブラジルで新たなサービスを開始する計画を発表した。これは昨年10月に米国で始めたニュース機能「フェイスブックニュース」の国際展開を加速させるもの。米国では現在、フェイスブックはコンテンツの出版元に対価を支払い、200超のメディアがオリジナルのコンテンツを提供している。同社の広報担当者は「現時点で、日本で始める計画はない」と説明している。同社は、フェイクニュースへの対応が十分でないとの批判を受け、信頼できる情報を優先する方針を打ち出している。

精神的不安の検索増加
グーグルトレンド

グーグルトレンドの推移の研究で、米国でCOVID-19による国家非常事態が宣言された3月13日から58日後までの期間に、精神的な不安に絡むワードの検索回数が史上最多に達していたことが判明した。研究はカリフォルニア大学サンディエゴ校に置くCenter for Data Driven Healthの研究員が行った。それによると、anxietyやpanicなどのメンタルに絡むワードの検索回数は、3月13日から5日9日までの期間において、通常時よりも11%増えたことが確認された。この傾向は米国の感染者が世界最多となった直後の3月28日と、死亡者がイタリアを抜いた4月14日をピークとして4月半ばに沈静化したという。