San Francisco Fleet & Leasing
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アメリカの車業界のシステムについて
米国での生活になくてはならないのが自動車。ここでスムーズに購入できるようにする為には、まず第一に米国の車業界システムを理解する必要があります。
米国では日本と違ってディーラーはメーカーとは別の企業 で、メーカーの小売販売会社ではなくフランチャイズです。例えばスミス・フォードという店があればこれはフォードの看板をかかげるスミスさんの会社です。スミス商店はフォードとの契約の他に別のメーカーと契約する事は自由です。ただ、メーカーが信用できるから販売店のセールスマンも 100%信用できるかというと、そうとは限りません。
セールスマンとの金額交渉
米国における自動車の買い方は、基本的にはディーラーへ出向いて在庫から買います。ディーラーが売る値段は需要と供給に左右されるので値引率が多い場合もあれば逆にプレミアムが付いてメーカー希望価格よりも高い値段で取引される場合もあります。
セールスマンはほとんどが歩合コミッション制なので、安く売るメリットはセールスマンにはあまりないのでお客様の為にマネージャーと掛け合ってきますみたいな事を言っても、あまり真剣に取らない方が良いです。
また自動車業界は古くから値段交渉して買い値を決めるという商習慣がいまだに続いており、メーカーが付ける値段は希望小売価格であり実際には交渉をして最終価格が決められます。交渉自体は悪い事はないのですが、エスカレートして半分詐欺のように値段がつり上がったり不必要なアクセサリーを付けて値段を上げたりする事があります。ここ数年、ディーラーとの交渉に対する不満とインターネットの普及が重なり、直接交渉をしなくて良い買い方として、インターネット上での販売会社の増えた要因の一つです。
購入の書類にサインする段階になって書類担当者がアクセサリーのセールスをするのも米国スタイルの特徴です。押し売りに近い売り込みを延々とするのです。一番多いのが Extended Warranty というメーカーの保障期間が終わった後も保障を延ばすもの。米国人は一般的に車を 8 〜10 年間キープするので役に立つかもしれませんが駐在員はおおむね5年以内に帰国すると推測されますので、これは無駄になります。最近の車、特に日本車は良く出来ているので5年とか6万マイル前後まではほぼ大きな故障はないと思います。そもそも延長保険は、ディーラーおよびセールスマンの儲けの重要ポイントです。
アメ車とか欧州車を購入してメーカー保障期間を超えて使うと分かっているのであれば考えても良いと思いますがその値段も値引き可能なので交渉をしてみるべきです。よく帰国される方が転売の際に、10 万マイルまでの保障付きとの宣伝を見ますが、恐らく無理やり買わされたのでないでしょうか。買うまではセールマンが“これは良い車です” と言っておいて買うとなった途端“故障の際の保障はいかがですか?”とは何事でしょうか。さらにオプションでシートの汚れ防止剤加工とかペイントの錆び止めとかで必要のないものばかり、何百ドルものオプションをしつこく勧めてきす。錆び止めなど必要ならメーカーがあらかじめやっているはずだし3- 4年内に錆びが出たらそれはメーカー保証に入っています。販売店、セールスマンにとっては各オプションがすべて儲けにつながっているのをお忘れなく。
車を所有するには
買い方として現金、ローン、リースの3種類があります。一般的にフォード、トヨタ、ホンダなどのメーカー系列の金融会社の使う金利は市中銀行のオートローンよりかなり低く設定されている場合が多いです。ローン、リースの場合は米国における信用調査結果が承認の基本になりますので日本から来られたばかりの方は広告で見る低金利プログラムにあてはまらない場合もありますので、メデイアの広告を見てそれが必ずしも出来るとは限らないのでお気を付けください。
近年メーカーによってはL1 ビザ保持者は信用歴がなくとも受けるメーカーが出てきたのは駐在者にとって朗報ですが、一般的には信用暦審査をもとに個人の信用度スコア(300 〜 850 点)が 720 点以上なければ広告にある低金利は適用されません。国民総背番号で全ての信用暦が点数で出てくる事の便利さとその反面、日本人駐在員の場合収入もしっかりしているのに米国におけるクレジット暦が無い為にバッドクレジットと同じ扱いを受ける事が多くローン、リースなどの申込みを断られるか、あるいは法外な金利を要求されることもあるので気を付ける必要があります。
車を選ぶ際に考えなくてはならないのは予算、使用目的、保険代、維持費、修理費用、帰国の際に転売が簡単か、高く売れるかなどを総合的に判断することが必要です。目安としては2年以内の滞在ならば中古車の方が経済的で3年以上使うならば新車で売りやすい車を買う事をお勧めします。
駐在員の方は、数年後には必ず帰国するわけですから、将来転売をする前提で車を選ぶことも重要です。転売が簡単な車は日本車の4ドアまたはSUV車。中古車を買う際、1万ドル以下の中古車は走行距離がかなり多いと想像されるので十分気を付けることが必要です。アメリカのセールスマンは10万マイル走行を低マイルと言いますが、よく考えれば16万キロですから、かなりの走行距離になります。毎年1千〜2千ドルの修理代がかかってもおかしくないので、安く買っても高い買い物になってしまうこともあります。
また日本車、アメ車、ヨーロッパ車に限らず高級車は結構転売が難しいのが事実です。普通中古車を探している人の予算は1万ドルから高くても1万5千ドル程度なのでいくら高級車といっても2- 3万ドルの“中古車”は買い手を探すのに苦労します。
デイーラーで購入した際の支払いは個人の小切手で払うのが一般的で、現金は普通使いません。クレジットカードはデイーラーによりますが上限$3,000 くらいまでです。デイーラーから購入した場合は新車、中古車に限らず陸運局の登録手続きは全てデイーラーが代行しますが、個人売買で中古車を購入した場合は自分で手続きをします。その場合は現金かあるいは銀行振出キャッシャーズチェックで支払うのが一般的です。
一番安く手っ取り早く帰国の際の転売が簡単に出来るためには現金で購入する事です。ローン、リースは車の所有権は金融会社にあるので転売のプロセスに若干手間がかかる事があります。
リース/ローンの場合
リースあるいはローンで購入する場合はソーシャルセキュリ テイー番号が必要になるので、まず取得手続を済ませましょう。先に米国での信用実績調査の結果でリース・ローンが可能か判 断されると書きましたが、これと同時に収入証明が必要で給料 明細書などの提出も要求されます。学生、団体派遣などで米国 での収入がない人はメーカー経由の低金利リース、ローンは承 認されません。それでもローン可能といった宣伝をしてる場合 は、金利がかなり高いのではと想像されますので要注意です。テレビ、メディアで各メーカーが宣伝している安いローンや リースはあくまでもアメリカ在住の信用暦がある人を対象にし ていますので、日本から来たばかりの場合は、そういうプログ ラムには当てはまらない事を理解の上でローンやリースが合っ ているのかを考えられるようお勧めします。
またリースのデメリットは、契約期間が決まっているので帰国のタイミングとマッチしないと早期解約になって契約残がペナルテイーになったり、契約終了後にまだ帰国にならない場合はその後をどうするかという問題も起きますのでお気をつけください。基本的にはリース契約は早期解約した場合は契約残の一括払いが必要です。法人リースの場合は後任の駐在員に継続してもらうのは問題ありませんが、個人リースの場合は契約違反になります。トヨタなどのメーカーリースの場合は 6 ケ月〜1 年までは現行リース料のままで延長を認めてくれますので、そこで返して新たに3年リースするよりも安全かもしれません。
維持費、修理費用も車選びの際に重要な要素の一つです。新車の場合は3年あるいは4年までの完全保証が付いているので、問題があっても費用はかかりませんが高級車以外は代車システムがないので故障が多い車は修理中レンタカーを借りたりで面倒がかかります。
結論から言うと現地の人にとってはリースというのも悪くない選択かも知れませんが、駐在、学校などの理由で米国に一時的に住んでいる方は状況が違うので、条件や対応が違う事を理解した上でどういう購入方法が合っているのかを考えられるようお勧めします。
<補足>車の購入手続きに必要なものは運転免許証と車両保 険。カリフォルニア州は車を所有するには車両保険を取得している事が義務なので、ディーラーは車両保険証明なしで車を渡すことを禁じられています。メーカーや車種によって保険料金に差があるので購入前に見積もりを取るのも良い事です。