西海岸、東海岸で変異株拡大 重篤化の可能性も指摘

 ニューヨーク・タイムズ紙は先月24日、コロンビア大学やカリフォルニア工科大学の研究で、ニューヨーク市でCOVID-19の新たな変異株の感染が増加していると報じた。また、カリフォルニア州でもニューヨーク市とは別の変異株の感染が増えているとメディアが報じた。ニューヨーク市保健当局は25日、会見で「すべての変異ウイルスが公衆衛生上の懸念になるわけではない」としているが、疾病対策センターは監視態勢を強化している。カリフォルニアの変種の研究を行ったカリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究チームの論文の執筆者チャールズ・チウ氏は「この変異株には警戒を要する。私たちのデータでは、感染性が高く、重篤な症状との関連がより強く疑われ、少なくとも部分的には中和抗体に抵抗性を持つ可能性があるからだ」とに語っている。ただしこの論文は査読前に発表されている。

警察に取り押さえられた男性死亡
遺族が過失致死訴え

 アンティオックで警察に取り押さえられた際に死亡した30歳の男性の遺族が警察を過失致死で訴えたことがわかった。事件があったのは昨年12月23日、数カ月前から不安やうつ、妄想の症状に苦しんでいたという男性が母親を傷つけることを恐れて家族が自宅に警察を呼んだ。警察が到着する前に、母親に抱きしめられた男性は落ち着き始めていたが、そこへ到着した警官2人は、状況を把握しようとしないまま、男性を母親から引き離した。遺族弁護士によればこの時警官は、首の後ろと側面を膝で押さえつけるという「ジョージ・フロイド」方式を用いたという。

企業多様化の試み
幹部に女性、マイノリティ増やす

 Silicon Valley Leadership Group (SVLG)は先月19日、2025年までに幹部職に占める有色人種や女性の割合を最低25%にする、あるいは、現状から25%以上増やすことを目標にすることを明らかにした。SVLGは1978年にHPのデイヴィッド・パッカード氏によって創設されたビジネス団体でベイエリアの350社以上が加盟している。SVLGは1月に企業の多様性に関する新たな取り組み「25×25」を発表しており、今回の発表もそれに沿ったもの。現時点での参画企業は、フェイスブック、ツイッター、ユナイテッド航空、ズーム、サンフランシスコ・フォーティーナイナーズ、サンフランシスコ・クロニクルなど20社。

引っ越し代40万ドル
ビクトリアン・ハウスを家ごと移動

 サンフランシスコでは先月21日、築139年の家がセミトラックを使って6ブロック離れた場所に移すという作業が行われた。「Englander House」として知られる6ベッドルームの緑色のビクトリアン・ハウスがフランクリン通りからフルトン通りまでトラックによって移された。作業には、家を台車に乗せて移動させるだけでなく、街灯やパーキングメーター、街路樹の枝、電柱の撤去や道路の封鎖などが含まれていり、この家の所有者は作業に40万ドルを支払ったという。この家は移転先で隣にある古い葬儀場と合体することになっており。元の場所には8階建て、48戸の共同住宅が建つという。

「シティライツ書店」創業者死去
ボブ・ディランやシンディ・ローパーにも影響

 詩人でサンフランシスコの書店「シティライツ書店」の創業者であるローレンス・ファーリンゲティ氏が先月22日、死去した。101歳だった。ニューヨーク州生まれ。50年代「シティライツ書店」を創業。詩人アレン・ギンズバーグの「吠える その他の詩」をはじめ、50~60年代の文学運動「ビート・ジェネレーション」の作品を精力的に出版した。同書店はカウンターカルチャーの「聖地」として知られ、ボブ・ディランは『バイオグラフ』で同氏の詩を引用、ザ・バーズのロジャー・マッギン、シンディ・ローパー、ザ・レジデンツらも同氏の作品から着想を得ている。

クラレンドン小学校田中教諭
Elgin Heinz Outstanding Teacher Award 受賞

 サンフランシスコのクラレンドン小学校教諭の田中淳子氏が2020年度の Elgin Heinz Outstanding Teacher Awardを受賞し、先月26日にオンラインによる授賞式が行われた。同賞は日米の相互理解の推進に貢献した優れた教育者を全米から選出し授与されており、2020年度は田中氏とアイオワ高校教諭の Daniel Carolin氏とのダブル受賞となった。田中氏は滋賀県出身、地元で小学校勤務を経てサンフランシスコ大学留学、修士号取得後クラレンドン小学校に20年間勤めている。田中氏は「今回の受賞を通して、クラレンドン小学校日本語日本文化プログラム関係者全員の努力が評価された」と述べている。

辺野古基地建設の土砂採集中止を
サンフランシスコ州立大教授ら

 多国籍市民グループ「オキナワ・リバティー・プロジェクト」は27日、沖縄県名護市辺野古の新基地建設計画に伴い、本島南部で計画されている土砂採取の中止を求めるオンライン署名活動を開始した。活動は昨年4月、沖縄防衛局が県に提出した新基地建設工事の設計変更承認申請書を不許可とし、日本政府と沖縄防衛局に申請の撤回を求めている。リーダーの上運天ウエスリー・サンフランシスコ州立大教授と音楽家上原ホプキンソン江吏子(アイルランド在住)は、「沖縄が置かれた制度的差別の現状を世界に知ってもらい、土砂使用を止めたい」と述べている。