前回は、株(Stock)や投資信託(Mutual Fund)などのマイナスも含めて値段が変動するような投資をする場合「平均金利」には注意が必要だという話をしました。
今回は、このような元本割れをするようなリスクのある商品に投資をする場合にどのような点に注意をすればリスクを軽減することが出来るのかついてお話をしていこうと思います。
この場合のリスクは、病気に感染するリスクなどという意味ではなく、金融の世界で言うリスクである、価値が上下にブレるリターンも含めたブレ幅のことを指します。
☆ポイント1:金利に注意をする
1つ目に注意をする点は「金利」です。前回お話した過去の平均金利がどうなっているのか、マイナスの局面がどれくらいあったのか、また、その金利が元本にのみ金利のつく「単利」なのか、元本+ 利息に金利のつく「複利」なのかには注意が必要です。単利と複利については過去に詳しく話をしておりますので、そちらをご参照下さい。
☆ポイント2:分散をする(資産、銘柄、時間など)
2つ目に注意をする点は、集中的にせず資産を「分散」をすることです。分散にはさまざまなものがありますが、まずは資産を分散させることです。これは、現金のような変動リスクの少ないものに100%お金を預けるのではなく、変動するような商品にも少しずつで構わないのでお金を移してみることです。また、我々のような日米にルーツがある場合は馴染みがありますが通貨を分散させることも大切です。円とドルのレートにより、損した得した盤面が少なからず過去にあったのではないでしょうか?
円とドルに資産を分散していれば、為替変動に慌てることなく円が高いときには円は円のまま使い、円が安いときにはドルを円に変えて使うなどフレキシブルな使い方が可能になります。
分散の2 つ目は銘柄の分散です。いくら好きだから、利回りが高いからといって一つの株に一点集中で投資をするのは要注意です。過去にも絶対安心と思われていた銘柄が予期せぬ事故などによって急激に株価が下がり戻らないなんていうこともありました。絶対はないと肝に銘じましょう。
そういったリスクを軽減するために様々な分野に分散して投資をすることが大切です。コロナ禍でも注目を浴びた銘柄、憂き目をみた銘柄がありますし、今後もこのようなことは次々と起こります。銘柄の分散の中には、分野の分散だけではなく国の分散も含まれます。
投資信託の中には、最初から銘柄や国が分散されているものもありますので選ぶのが大変というかたはそういったものでリスクを分散させるのも良い手かと思います。
分散の3つめは時間(タイミング)の分散です。これは前回の平均利のトリックのコラムでも少しお話しましたが、一括で大きなお金を入れてしまう場合には初年度に大きな下げ相場が来てしまうとたとえ平均金利が3%、5%であったとしてもほとんど増えないことや、タイミングによっては元本割れをしてしまいます。
これを避けるためには、このような変動するものに投資をする場合は購入する時間を分散させる、つまりコツコツ積立していくことが大切になります。こういった方法を「ドルコスト平均法」と読んだりするのですが、ここは非常に大切なポイントですので、次回詳しく掘り下げて実例を用いて開設致します。
☆ポイント3:時間をかける
3つ目の投資のポイントはシンプルに時間をかけるということです。時間をかけて国の経済が成長していけば、それに伴い株式市場全体も上昇していきます。また時間をかけるほど金利の恩恵を受けることが可能です。
まだこういったリスクのある投資が怖いと感じる方は、こういった点に注意をしながらスモールスタートをして様子をみてご自身のリスク許容度の範囲内で資金を追加していきましょう。知識を身につけ、さらに実践をすることでその知識が身を持って知った体験として力になってくれます。