「常に最高のサービスを」日本人ならではの心遣いがモットー
ここカリフォエルニアにおいて、Japanese Foodは寿司やカレー、ラーメンを中心に広く根付いた食習慣になってきている。特にベイエリア・シリコンバレーではラーメンの人気が高く、日本から進出するラーメン店も参戦し、熾烈な競争が繰り広げられている。今回インタビューをするのは、グーグル本社のあるマウンテンビューで「Shalala」を経営する岩橋信頼氏(ノブさん)に、「これまで」、そして「これから」についてお話をうかがった。
アメリカでラーメン屋さんを開業したきっかけは?
日本の大学を卒業した後に渡米したのですが、最初は寿司屋で働いており、寿司職人としていつか独立しようと思っていました。しかし当時アメリカでは既にお寿司屋さんの軒数が多く、決めかねていたところ、飲食ビジネスのオーナーさんと出会い、アメリカの地でラーメンで勝負できる可能性を感じました。
当時、日本ではラーメンの大ブームのピークで飽和状態まできていた感じがあったのですが、まだベイエリアでラーメンが流行する前だったので、これはいいんじゃないかなと思ったんです。
ラーメンは全くの素人でしたが、すでにラーメン屋として開業していた先輩からのアドバイスや後押しがあり、開業を決めました。今のビジネスパートナーの上島と出会ったのはちょうど10年前でした。そこから、準備期間を経て2010年に「Shalala」を開業したのです。
お客様の比率は現地の方と日本人の方、どちらが多いですか?
お客様の比率は現地の方がほとんどですね。みなさん、お箸をうまく使って、ずずずっとスープを飲み干し、麺も案外硬めが好きで、暑い日に汗を吹き流しながらラーメン食べてます。日本の食文化が浸透しているんだなとしみじみ感じます。
現地のお客様が多いからといって、アメリカにありがちな大雑把なサービスにはしたくないので、ホールスタッフが新たに加わった時も、接客がどうあるべきかを徹底的に教えます。常に「最高のサービスを」ということを目指しているので、ここは譲れないところです。日本人ならではの心遣い、例えば、スプーンの向きやお皿の向きなど、ちょっとしたことなんですが、そういった細かい点も気を遣っています。
特に最近はYelpがあるので、良いことも悪いことも書かれてしまいます。一喜一憂してしまうこともありますが、切磋琢磨していくきっかけと考えています。
今一番お勧めのラーメンは何ですか?
新しくメニューとして開発したばかりの二郎系ラーメン”Shoyu Tonkotsu Ramen”(写真右)です。 最初は5月限定でやってたのですが、思いのほか反響がありまして、リピーターの方に「絶対レギュラーメニュー化してもらいたい」とリクエストがありました。それに応えるべく、続けていくことにいたしました。
Facebookでこの二郎系ラーメンの投稿をしてくださった方がいて、そこから反響が広がり、二郎系ラーメン狙いの日本人のお客様も増えています。
二郎系の根強いファンの方がこんなにいることに正直驚いてますが、みなさんに好評であったことが本当に嬉しかったです。私どものスープは二郎系にしてはあっさりとしてますがしっかり醤油の効いた、あとにひく旨さを残します。 麺も特別に作った全粒粉の太麺です。 大量の野菜の下にあるその麺は最後までモチモチツルツルと楽しめるようになってます。ぜひ一度お試しください!
ベイエリアで頑張るJweeklyの読者へメッセージ
日本から遠いアメリカに来て頑張る皆さんが、ラーメンで日本を思い出したり、元気になって頂ければと思っています。是非、「Shalala」へ足をお運び下さい!
岩橋 信頼 (いわはし のぶより)
1975年生まれ、大阪府八尾市出身。日本の大学を卒業後、渡米。寿司屋で10年程働き、その後2010年にマウンテンビューに「Shalala」を開業。2012年にサンタクララの人気ラーメン店「Kotetsu」の立ち上げに全面的に携わる。
趣味はゴルフ。休日の毎週月曜には、飲食店関係者のメンバーで構成されたゴルフ仲間とコースに回る。