みなさま、こんにちは。シリコンバレーでピアノ教室を主宰している、有座なぎさです。昨秋から「音楽教育のススメ」と題したコラムを毎月第四週目に担当させていただいています。今回は、音楽学習者にとって、個人レッスン以外にどのような活動が可能か、探ってみたいと思います。
まず、みなさんが一番身近な学習披露の場として思いつくのが、お教室の発表会だと思います。それぞれの先生によって、頻度や形態は様々あると思いますが、発表会はお子さんにとっても親御さんにとっても晴れの舞台ですね。お教室の発表会以外にも、音楽教師協会のリサイタル・オポチュニティなど、先生が教師協会等に所属していれば、それらの団体が主催する、生徒のための発表会もあります。そして、更にそれを客観的に評価してもらえるのが、各種テストや、コンペティション、オーディションです。テストにはいろいろありますが、一般的なのはCM(Certificate of Merit)、ABRSM(Associated Board of the Royal Schools of Music)でしょうか。
また、高校生のためのAP Music Theory Examテストもあります。コンペティション、オーディションにも様々あり、 それらで受賞するためには、各種テストでの演奏よりも、より正確で高度な技術や音楽性が求められますが、力試しとして挑戦してみるのもいいですね。ソロ演奏でのコンペティションの他に、コンチェルト(協奏曲)コンペティションというのもあります。これは、ユース・オーケストラやコミュニティー・オーケストラが主催しているもので、優勝すればオーケストラをバックにステージでコンチェルトを演奏できる機会が与えられます。100人規模のフル・オーケストラ、またはそれよりやや小規模のチェンバー・オーケストラと共演できる機会は滅多にありませんから、実現すれば、またとない良い経験となるでしょう。
バイオリンやチェロなどの弦楽器、または木管(ウッド・ウィンド)、金管(ブラス)楽器を学習している人には、ユース・オーケストラでシンフォニー(交響曲)を演奏することもできます。ベイエリアは、ユース・オーケストラの活動がとても盛んで、最高峰であるSan Francisco SymphonyのYouth Orchestra(SFSYO)を始め、California Youth(CYS)、Golden State Youth(GSYO)、Peninsula Youth(PYO)、Palo Alto Chamber Orchestra(PACO)、Young People’s Chamber Orchestra(YPCO)、Oakland Symphony Youth(OSYO)、Sunset Youth(SYO) など沢山の選択肢があります。
また夏には、それぞれのユース・オーケストラが海外ツアーに行ったり、さまざまな音楽サマーキャンプも用意されています。年間を通して、音楽に邁進できる機会が豊富にあるのがベイエリアの利点といえるでしょう。