洋上風力発電開発で合意 カリフォルニア州と連邦政府

 カリフォルニア州は先月25日、連邦政府と同州沿岸沖で洋上風力発電を開発することで合意したと発表した。この合意は、バイデン政権が3月29日に発表した2030年までに30ギガワットの洋上風力による電力生成を目指す方針に沿ったものだ。この計画はモロ・ベイ沖とハンボルト沖の2か所に商用規模の洋上風力発電所を設置するというもの。カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、「この開発は、経済を強化し新規雇用を創出しつつ、カリフォルニア州のクリーンエネルギー目標の達成と気候変動対策に寄与しうるもの」としている。また、デブ・ハーランド内務長官は「クリーンなエネルギーの未来に進むことに熱心なパートナーとの数カ月にわたる積極的な取り組みによるものだ」と述べた。計画では今後10年にわたり最大4.6GWを発電し、160万世帯への電力供給が可能とされている。

アジア系女性警官襲撃される
居合わせた人たちが容疑者を取り押さえる

 サンフランシスコのチャイナタウンでアジア系の女性警官が男に襲撃され、現場に居合わせた人たちが次々に助けに入って男を取り押さえるという事件があった。事件があったのは先月28日、「男がアジア系に暴言を吐いている」との通報で出動した女性警官に逆上した男が襲いかかった。そこに居合わせた人たちが男を引き離し、駆け付けた別の警官に引き渡した。サンフランシスコ市警では治安の悪化で警官2人1組の体制がとれず女性警官も1人で出動した。男は前日も「アジア系の殺害を専門にしている」などと叫んでいたという。

米労働市場は指標が示すほど良好ではない
SF地区連銀が報告書

 サンフランシスコ地区連銀は、労働市場が発するシグナルが「前例がないほどに」相互に矛盾する中、スラック(需給の緩み)の存在を示すシグナルをより重視する必要があるとする報告書を公表した。報告書は「全般的に、労働市場は一部の指標で示唆された状態より悪いことが示された」としている。求人を巡るデータでは労働市場がより引き締まっていることが示唆され、5月の失業率は5.8%に下がったものの、女性や非白人の雇用環境を巡る見通しはより厳しい。報告書は女性や黒人、中南米系の失業状況は労働市場環境の悪化を物語っていると分析した。

Calm、大坂氏支持表明
罰金同額を慈善団体に寄付

 サンフランシスコ拠点の瞑想や睡眠など癒やしを提供するアプリを運営するCalmは2日、テニスの全仏オープンの記者会見を拒否して1万5000ドルの罰金を科せられた女子テニス世界2位の大坂なおみ氏の支持を表明、罰金と同額の1万5000ドルを仏の青少年スポーツ慈善団体に寄付するとした。また、2021年のテニス4大大会中にメンタルヘルス上の理由で会見への出席を取りやめたいと考えているすべての選手の罰金を支払う用意があるという。同社は「我々は大坂氏の勇気ある決断を支持し、彼女とともにある。メンタルヘルスは健康の問題だ」と話している。

サンフランシスコ‐東京間6時間
ユナイテッド、超音速機購入

 ユナイテッド航空は3日、米航空機ベンチャー Boom Supersonicから超音速機「Overture」15機を購入する計画を発表した。2029年の就航を目指す。Overtureは音の早さの1.7倍の飛行が可能で、ニュージャージー州ニューアーク~ロンドン間を3時間半、サンフランシスコ~東京間を6時間で結ぶことができる。また同機は再生可能な燃料を使用するため、炭素使用量は「正味ゼロ」になるという。共同発表によると、同機の購入は「ユナイテッドが求める安全性、運用性、持続可能性に関する厳しい要件」を満たし次第とあるが、就航は2035年か2040年がより現実的とする専門家の声もある。

干ばつ危機的な状況
発電停止も

 カリフォルニア州の1500以上のダムや貯水池で水量が例年の同時期比で50%を下回った。サクラメントの北に位置するオロビル湖では先月23日の段階で39%、同北東にあるフォルサム湖では先月22日の段階で37%にまで低下した。干ばつの原因としてはここ数年続いているシエラネバダ山脈の雪不足、多発した山火事で森林による保湿能力が減り、高温と乾燥が例年以上に続いていることが挙げられている。このままでは8月には電力全体の18%前後を占める水力発電が停止される可能性が考えられるという。US Drought Monitorによると、米国西部の85%近くが現在干ばつ状態にある。

サケの稚魚をトラック輸送
深刻な干ばつで

 危機的な干ばつが続き例年よりも早く川が干上がっていることを受けカリフォルニア州当局は、キングサーモンの稚魚をトラックで海へ輸送する作業に着手した。サケの陸路輸送は1980年代から行われているが、今夏は輸送の規模を20%拡大し、今月末までに稚魚1700万匹近くを輸送する。回遊魚のキングサーモンは川で生まれ、海で成長する。海で数年過ごした後は生まれた川に戻って産卵し、一生を終える。稚魚がふ化したのはサクラメントの北に位置するFeather River Hatchery。年間約800万匹の稚魚を産み出している。稚魚はここから何台もの大型タンクローリーで海へと運ばれる。