米国の37州・特別区の司法長官は7日、グーグルが「アンドロイド」を搭載したスマートフォン向けアプリストアの独占的地位を維持するために競合を買収したり契約に制限を設けたりし、反トラスト法違反したとしてカリフォルニアの連邦地裁に提訴した。訴状は、同社がアンドロイド上のアプリ配信とアプリ内の商品販売で独占的地位を維持するために違法な手段を用い、同社のプレイストアから「莫大な利益率」を確保したと主張している。また、アプリの開発元からプレイストアをとおした売上の30%を徴収するいわゆる「グーグル税」も問題視されている。グーグルは「アプリが『グーグルプレイ』で見つからなければ、他社やアプリ開発者のウェブサイトから直接、ダウンロードできる。ほかのしくみと比べてもオープンで、アプリ開発者に選択肢を提供している」と反論している。
ワクチン低接種は経済に脅威
低所得者層の支払い能力は向上
サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は、一部地域におけるCovid-19ワクチンの低い接種率が世界経済や米国にとっての脅威との認識を示した。9日付の英紙フィナンシャル・タイムズとのインタビューで語った。総裁は米国以外でワクチン接種率が高まることが重要としながらも、「早まった新型コロナ勝利宣言は、今後の世界経済の成長に対する最大リスクの一つ」と強調した。また、サンフランシスコ地区連銀は、3月に成立した連邦政府の支援により、失業後の家計の支払い能力が高まり、特に低所得層が大きな恩恵を受けたとする調査結果を発表した。
森林火災拡大
ネバダ州境に迫る
サクラメントの北東べックワーズ周辺のプラマス国有林で発生していた森林火災が9日、強風にあおられてさらに拡大。すでに東京23区の8.3倍に相当する5,180平方キロメートルが焼失したが、鎮火するメドがたっておらず、隣接するネバダ州に向かって延焼中で、ネバダ州へ通じる道路も一部で閉鎖された。森林火災は落雷が原因で2カ所で発生。1,000人以上の消防士が現場で消火活動を行い、空からも放水を試みているが、鎮火したのは11%程度にとどまっている。火災のために各所で送電線が燃えているため同州では全住民に対して電力使用を控えるように要請している。
自立型無人艇
SF からホノルルまで海底調査
無人水上艇(USV)のSaildroneの自律型無人艇Saildrone Surveyorが9日、サンフランシスコからホノルルへの処女航海を終えた。長さ72フィート、重さ14トンのSurveyorは、高性能音響機器を登載しており、水中生態系を観察し、海底2万3,000フィートの深さまで高解像度でマッピングできる。今回の航海では28日間で、4,167キロメートルを走破し、11,852.8平方キロメートルの海底をマッピングした。収集したデータは、気候変動、オフショア再生可能エネルギー、天然資源管理、海洋安全などの対処に役立てられる。Saildrone USVは風力と太陽光を主たる動力源とし、炭素排出量を最小限に抑えている。
SF からホノルル
手漕ぎボートで競う
サンフランシスコからホノルルまでの約4,445キロの区間を手漕ぎボートで争う「グレート・パシフィック・レース」で先月30日、チーム「Lat35レーシング」が30日間と7時間半の世界最速記録を樹立して優勝した。主将のジェイソン・コールドウェルさんによれば、1人が1日12時間漕ぎ続けたという。また、イギリスから参加した全員女性のチーム「ジ・オーシャン・シェローズ」が35 日 14 時間半でゴール。これまでの記録を約2週間短縮した。メンバーで2児の母親のパルシャ・ゴードンさんは「これで他の女性たちを奮起させたい」と語った。
ギャップ、欧州事業を縮小
オールドネイビーとアスレタに注力
サンフランシスコ拠点のギャップは英国とアイルランドにある全店舗を閉鎖する計画だという。フランスとイタリアでは、ビジネスモデルをフランチャイズに移行する。閉鎖されるのは81店舗に上る。9月末までに全店舗閉鎖する。また、2024年1月までに、北米にあるギャップとバナナ・リパブリックの店舗の30%にあたる350店舗を閉鎖。以後は、事業をオールドネイビーとアスレタに集中させる。2021年末までに、少なくとも50店舗を開業する予定だという。オールドネイビーの売上高を、2023年までに100億ドルに、アスレタを20億ドル規模にするのが目標。
SF で急増する万引き
ニーマン・マーカスでも
サンフランシスコの高級百貨店ニーマン・マーカスで5日、覆面の集団が商品のハンドバッグを盗んで逃走するという事件が発生した。犯人らはディスプレイされていたガラスのショーケースを叩き割り、高級ハンドバッグを掴んでそのまま別々の車で逃走したという。5月にはパロアルトにあるニーマン・マーカスで、男女10人の集団が営業中の店頭からハンドバッグ43個を奪って車で逃走する事件が起きていた。サンフランシスコでは万引きが急増しているが、訴訟を恐れる大手チェーンストアでは店員に盗難を制止することを禁じており、ほとんどなすがまま状態となっている。