[アメリカビジネスNEWS] 米カリフォルニア州の人口、統計開始以来初の減少に

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米カリフォルニア州の人口、統計開始以来初の減少に

>>>JETRO オリジナルの記事はこちらから (5/14/2021 Updated)

米国カリフォルニア州財務局は5月7日、2021年1月時点の州の人口推計を発表した(注)。推計によると、同州の人口は前年1月時点と比べて約18万人減少(0.46%減)の約3,947万人となり、統計開始以来、初めて前年比で減少した。

財務局は減少の主因として次の3つを挙げている。

  • 第1に、国外からの移住者の減少(約10万人減)。連邦政府のビザ発給制限措置や新型コロナウイルス感染拡大による世界規模での移動制限が影響した。
  • 第2に、新型コロナウイルス関連の死亡による減少(約5万1,000人減)。2020年の州全体の死亡率は直近3年の平均に比べて19ポイント高くなった。州内58郡のうち51郡で過去3年の平均死亡率を上回った。
  • 第3に、人口の自然増(出生数と新型コロナウイルス関連でない死亡数の差)が引き続き減少(約2万4,000人減)した。

都市別に見ると、人口の多いロサンゼルス市(約392万人、前年比1.3%減)、サンディエゴ市(約141万人、0.7%減)、サンノゼ市(約103万人、1.1%減、サンタクララ郡)、サンフランシスコ市(約88万人、1.7%減)は、いずれも前年を下回った。一方、前年に比べて人口が増加している中規模都市もある。北カリフォルニアでは例えば、オークランド市(約44万人、0.7%増、アラメダ郡)、フリーモント市(約23万人、0.5%増、アラメダ郡)、サンタクララ市(約13万人、2.7%増)、エルクグローブ市(約18万人、1.2%増、サクラメント郡)などで、前年から人口が増加した。

今後の人口の動向について財務局は、新型コロナウイルスに関連した死亡数の減少やビザ発給に関する連邦政府の政策変更により、2021年の州人口は微増に戻ると見込んでいる。

カリフォルニア公共政策研究所(PPIC:Public Policy Institute of California)の分析によると、過去20年間、同州の人口の伸びは鈍化しており、特に近年は出生率の低下に加えて移住者数がネットでマイナスに転じたことで、年間の人口成長率の低下が続いていた。PPICは、2010年代に610万人が経済的または家庭の事情で同州から他州に転出した(他州からの転入者は490万人)としている。家賃の高騰などを背景に、低・中所得者の転出が目立つという。

(注)2021年1月時点の人口は暫定値。今回の発表に合わせて2020年1月時点の人口も更新されている。

(JETRO 石橋裕貴)

米リフト、自動運転部門を5億5,000万ドルでトヨタ子会社へ売却

>>>JETRO オリジナルの記事はこちらから (5/7/2021 Updated)

米国のモビリティ企業リフト(本社:カリフォルニア州サンフランシスコ市)は4月26日、同社の自動運転部門「レベル5」をトヨタ自動車の子会社ウーブン・プラネット・ホールディングス(本社:東京都)(注)に売却すると発表した。買収金額は約5億5,000万ドル。そのうち、まず2億ドルが支払われ、残りの3億5,000万ドルは5年かけて支払われる。リフトは今回のレベル5の売却により、Non-GAAP(米国会計基準に準拠しない)ベースで年1億ドルの営業費用の節減を見込む。

リフトの自動運転部門であるレベル5は、ウーブン・プラネット下に入り、自動運転などの技術開発を行う。今回の取引で両社は、自動運転技術の開発や安全性向上を目的とした複数年の非独占商業契約も締結した。ウーブン・プラネットは、リフトのシステムや車両データを利用できる。リフトは、商業契約に伴う収入を見込む。

今回の合意に関して、リフトのローガン・グリーン共同創設者兼最高経営責任者(CEO)は「リフトは自動運転車(の利用)を拡大できる輸送ネットワークの構築に9年間を費やしてきた。ウーブン・プラネットとリフトの今回の提携は、自動運転技術にとって大きな前進だ」と述べた。また、同社のジョン・ジマー共同創設者兼社長は「この取引は、当社の収益性改善の時期を早めるのに寄与する」とその財務効果にも期待を示した。他方、ウーブン・プラネットのジェームス・カフナーCEOは「レベル5の世界クラスのエンジニアや専門家を仲間に迎えることに非常に興奮にしている。われわれの技術開発の努力が大きく強化されるだろう」と述べた。

米国のモビリティ企業では、ウーバー・テクノロジーズ(本社:サンフランシスコ市)も2020年12月、自動運転部門(アドバンスド・テクノロジー・グループ)を、自動運転開発スタートアップのオーロラへ売却すると発表している。同発表によると、両者は戦略提携を結び、ウーバーがオーロラに4億ドルを投資するほか、ウーバーのダラ・コスロシャヒCEOがオーロラの役員会に参画する。

(注)ソフトウエアを中心にさまざまなモビリティ開発を担うトヨタ自動車の子会社。トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメントを前身とし、2021年1月から事業を開始している。

(JETRO 石橋裕貴)

米加州、2024年までにフラッキング禁止、2045年までに石油採掘廃止へ

>>>JETRO オリジナルの記事はこちらから (5/6/2021 Updated)

米国カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は4月23日、2024年1月までにフラッキング(注1)による石油採掘に対する新規許可発行を停止すること、また、2045年までに同州全ての石油採掘を段階的に廃止する計画を立てるよう、それぞれ同州の管轄機関に指示した。

フラッキング許可発行中止に関しては、同州の環境保護局地質エネルギー管理室(CalGEM)が規則制定に直ちに取り掛かる。石油採掘廃止に関しては、カリフォルニア大気質委員会(CARB)が気候変動精査計画(注2)を通して、段階的に廃止する方法を査定していく。

4月23日に発表された同州プレスリリースでは、同州におけるフラッキング許認可とそれに伴うフラッキング活動は、2014年に施行した石油・天然ガス開発規制強化に関する法律(SB4)により、現在すでに最低レベルにまで減っている、と述べている。一方、石油産業グループは、同州の石油生産におけるフラッキングの割合は、実際には同州が示す割合(2%)よりも大きい17%だと主張しており、フラッキング禁止による影響がいかに大きいか論争が起きているとする報道もある(政治専門紙「ポリティコ」4月22日)。

ニューサム知事は2020年9月に発した知事令で、2024年までにフラッキング許可発行を中止するよう、州議会に指示していた。その後、スコット・ウィーナー同州上院議員らが2022年以降のフラッキング許可発行・更新の禁止などを定める法案(SB467)をまとめたが、2021年4月13日に上院委員会公聴会で却下された。ニューサム知事は以前、州議会の承認なしにはフラッキングを禁止する権限は知事にはない、と述べていたが、SB467が却下された後、環境保護グループから知事へのプレッシャーが増し、今回の発表に至ったのではないかと複数の現地メディアはみている。

カリフォルニア独立石油協会(CIPA)のロック・ジアマン最高経営責任者(CEO)は、(ニューサム知事の発表が)「フラッキング禁止により州内石油生産を減らしても、カリフォルニアで毎日140万バレルの石油が必要とされる事実は変わらないだろう」と公式発表で述べた。

カリフォルニア大学サンタバーバラ校の調査によると、カリフォルニア州の原油生産は、全米3位だった1985年をピークに減少しており、2019年時点では全米7位。2017年時点で、カーン、ロサンゼルス、モントレー、フレズノ、ベンチュラの5郡が同州原油生産の91%を担っていた。

(注1)化学物質を含む高圧水を使用したシェールガス・オイルの掘削方法で、環境汚染や地盤への影響を懸念する見方がある。

(注2)2006年に可決されたカリフォルニア温暖化解決法案(AB-32)に基づき作成された、温室効果ガス削減のための包括的かつ多年度にわたる計画。

(JETRO 田中三保子)

米加州知事リコール選挙実施がほぼ確実に、手続きは次のステップへ

>>>JETRO オリジナルの記事はこちらから (5/6/2021 Updated)

米国カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(民主党)解職の是非と後任知事を決める住民投票(リコール選挙)の実施がほぼ確実となった。

シャーリー・N・ウェバー州務長官は4月26日、各郡選挙管理局から報告された有効署名数がリコール選挙実施に必要な件数を超えたため、選挙実施に向けた次の手続きを開始することを発表した。報告された有効署名数は162万6,042件に上り、リコール選挙実施に必要な149万5,709件を約13万件上回った(注)。ニューサム知事解職を求めて署名運動を展開してきた団体リコール・ギャビン2020は3月、無効署名が出ることを予想して、最終的に211万件以上の署名を集めて提出している(2021年3月22日記事参照)。

リコール選挙実施のための次のステップとして、有権者が署名を撤回することができる期間(30営業日)が設けられる。ウェバー州務長官は声明で、「相当な数の署名が撤回されない限り、リコール選挙は実施される」と述べた。署名を撤回したい有権者は、6月8日までに有権者登録している郡へ書面で申し出る必要がある。撤回された署名がある場合、各郡選挙管理局は撤回期限から10営業日以内に州務長官に報告し、州務長官は撤回分を差し引いた後の有効署名数がリコール選挙実施に必要な数をまだ満たしているかを判断する。

撤回期間後も有効署名数が必要数に達していた場合、州関係機関がリコール選挙に関わる予算を見積もり(最大30営業日)、議会合同予算委員会がそれを審査する(最大30日)。その後、州務長官がリコール選挙実施条件を満たす数の有効署名が提出されたことを認証すると、州副知事は60~80日以内にリコール選挙の実施日を発表する流れとなっている。

元オリンピック金メダリストで現在はリアリティ・ショーなどに出演するケイトリン・ジェンナー氏は4月23日、リコール選挙が実施された場合の後任州知事に立候補を表明した。これまでに、ケビン・ファルコナー・サンディエゴ前市長(共和党)やダグ・オセ元下院議員(共和党)など、政治経験者がリコール選挙への立候補を発表しているが、政治経験のないセレブリティの立候補はジェンナー氏が初となる。

(注)有効署名数の集計自体は、各郡の選挙管理局により最終確認期限の4月29日まで実施。

(JETRO 田中三保子)

米自動運転車開発のクルーズに小売り大手ウォルマートが投資 (米国、アラブ首長国連邦)

>>>JETRO オリジナルの記事はこちらから (4/21/2021 Updated)

米国自動運転車開発のクルーズは4月15日、2021年1月に発表したホンダやマイクロソフトなどからの最新の資金調達ラウンドに、米国小売り大手のウォルマートも加わったことを明らかにした。ウォルマートによる投資金額は公表されていないが、同ラウンドでの調達総額は27億5,000万ドルになった。

クルーズは2020年11月にウォルマートとのパートナーシップを発表しており、クルーズの電気自動運転車両を利用した試験的デリバリープログラムをアリゾナ州で立ち上げた。

ウォルマートのジョン・ファーナー社長兼最高経営責任者(CEO)は4月15日、同社ブログで「この投資は素早く、低価格でスケーラブル(注1)なラストマイル配送(注2)エコシステム構築への当社の取り組みを後押しするだろう」と述べている。また、同社が2040年までに温室効果ガス排出ゼロなどの目標に向け、気候変動に対する行動を起こす上でクルーズはうってつけのパートナーとしている。

クルーズは2013年にカリフォルニア州サンフランシスコで創業後、2016年にゼネラルモーターズ(GM)に買収されて同社傘下となった。2021年1月時点で、クルーズの評価額は300億ドルに達している。4月12日には、全電気自動運転車両による配車サービスを国外で初めてアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで展開することを発表した。ドバイは2030年までに全輸送の25%を自動運転化することを目指している。2023年から限られた台数でクルーズの車両を導入し始め、2030年までに4,000台に増やす予定だ。

(注1)ビジネス規模が拡大してもユーザーのニーズを継続的に満たせること、またはサービスの有用性が増すことを指す。

(注2)事業者とユーザーをつなぐ最後の区間の配送を指す。

(Jetro 田中三保子)

米ワシントン州、2030年以降のガソリン車新車販売禁止法案を可決

>>>JETRO オリジナルの記事はこちらから (4/20/2021 Updated)

米国ワシントン州議会は4月15日、同州内で販売される2030年式以降の全乗用車を電気自動車(EV)とする目標を定めた法案を可決した。ジェイ・インスレー知事の署名を経て正式に成立となれば、2020年9月発出の知事令に基づいて2035年までにガソリン車の新車販売を禁止する予定のカリフォルニア州(2020年10月2日記事参照)より5年早く、米国では最も早いガソリン車販売禁止時期の設定となる。

同法案は正式に州法として成立した場合でも、発効には条件がある。具体的には、ワシントン州内で道路利用料あるいは走行距離に基づく課税制度が施行され、同利用料または税が同州内で登録された車両の少なくとも75%に適用されることが必要だ。これには、EVの普及によって減少が予想されるガソリン税に代わる税収を確保する狙いがある。

同法案にいう「電気自動車」とは、バッテリー式EVや水素燃料電池自動車を含み、動力が電気モーターのみの車両を指す。また、対象となるのは、重量が1万ポンド(約4,536キログラム)以下で車輪が3つ以上ある路上走行する車両。救急搬送などに使われる緊急サービス車両は対象外としている。

同法案は、同州内における2030年式以降の非電気自動車の売買だけでなく、車両登録も禁止する。従って、現地メディアは、他州で購入されて同州で登録される車両にも、同法案が適用されると報じている(専門ニュースサイト「エレクトレック」4月15日)。

(Jetro 田中三保子)

在米日系企業の新型コロナワクチン接種方針、推奨と任意が各3割

>>>JETRO オリジナルの記事はこちらから (3/12/2021 Updated)

全米各地で新型コロナウイルスワクチン接種が急ピッチで進められ、接種対象者が拡大する中、ジェトロは全米に所在する日系企業を対象に、ワクチン接種方針などに関するアンケート調査(注1)を実施し、その結果を3月11日に公表した。

従業員への接種方針については、33.1%の企業が「原則として推奨」、31.3%が「原則として任意」と回答した一方、「方針を決めていない」も34.6%に上り、一定数の企業が様子見であることが明らかとなった。「原則として義務」との回答は1.0%と、接種を義務化する企業は極めて少数にとどまった。

業種間や地域間でも、接種方針やその検討状況に違いが見られた。製造業では「原則として推奨」(39.0%)が最も多く、非製造業では「方針を定めていない」(38.4%)が最多だった。地域別では、中西部・南部・西部でそれぞれ3割以上が「原則として推奨」と回答した。

ワクチン接種をめぐる課題や懸念を尋ねたところ、「義務化や推奨して副反応が生じた場合の責任」との回答が最多の37.6%となり、「義務化や推奨する場合の従業員からの反発」が29.0%と続いた。接種の義務化や推奨に伴う法的責任や訴訟リスクへの懸念がうかがえる。一方、30.3%が「特にない」と回答し、企業間で温度差が存在することもわかった。

自由記述による回答では、「従業員の考え方を把握した上で対応を検討中」「個々人で事情が異なることから義務化は難しい」「接種の対象者や予約方法をはじめ、ワクチン接種に関する情報収集が課題」などのコメントが寄せられた。

アンケート調査では、現在とコロナ収束後の勤務態勢についても質問した。

現在の勤務態勢については、81.4%の企業が在宅勤務を実施しており、特に非製造業では90.4%に上った。

コロナ収束後の勤務態勢については、「原則として全従業員が事業所に出勤」との回答が最多の40.1%を占めるなど、多くの企業が事業所への出勤再開や拡大を想定していることが判明した。他方で、事業所への出勤に完全には戻さずにリモート勤務(注2)との併用を検討している企業も多く、何らかのかたちでリモート勤務を活用した勤務態勢を検討している企業も合計で47.1%に上った。

アンケート調査結果をまとめた報告書はジェトロ・ウェブサイト(983KB)で閲覧可能。

州レベルではワクチン接種の義務化禁止の動きも

米国の多くの州では、雇用主が従業員にワクチン接種を義務化することを防ぐ法案が検討され始めている。例えば、ユタ州では、企業が従業員に対してワクチン接種を要求することを禁止する法案が審議されている。アリゾナ州では、雇用、事業所や公共スペースへの出入り、物品やサービスの購入に当たり、ワクチン接種を条件とすることを禁止する法案が提出された。

こうした法案が提出される州は増加傾向にあり、在米日系企業はその動向も踏まえ、従業員へのワクチン接種方針を検討することが求められている。

(注1)調査期間は3月1~5日。回答企業数は703社。回答企業には、現地在住の日本人が起業した会社など、日本に本社を構える企業の現地法人以外も含まれる。

(注2)自宅を含むオフィス外での勤務。

(JETRO 永田光、石橋裕貴)

ジェトロ、米加州の個人情報保護法対策オンラインセミナー開催、BtoB企業向け

>>>JETRO オリジナルの記事はこちらから (1/25/2021 Updated)

ジェトロは1月13日、米国カリフォルニア州のプライバシー権法(CPRA:Consumer Privacy Right Act)に関するBtoB企業向け解説オンラインセミナーを開催した(注1)。日本企業関係者など300人以上が視聴した。

同州では、2020年11月3日の住民投票で、同年1月に施行されたカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA:California Consumer Privacy Act)改正の提議が賛成多数で可決された(2020年11月11日記事参照)。CCPAの改正法となるCPRAは2023年1月1日からの適用開始予定で、その1年前の2022年1月1日以降に収集された個人情報が対象となる。CCPAと比較してCPRAでは、プライバシー保護がより強化される。消費者に企業の持つ個人情報の修正を要求する権利などを新たに付与するほか、16歳未満の消費者の個人情報に関する法令違反に対する罰則強化や、プライバシー法を執行する権限を持つ州の個人情報保護機関の設立などを定める。

ジェトロがこれまで開催したCCPAに関するオンラインセミナーの参加者からは、「BtoB企業が備えておくべき対策を知りたい」「BtoBビジネスのみの企業は何をすればいいのか」など、BtoB分野での実務対応に関する情報を求める声が多かった。そこで今回のセミナーでは、BtoBの企業が収集している個人情報へのCPRAの適用とその実務対応について専門家が解説した。

CPRAでは、役職員などの雇用に関連する個人情報や取引先の従業員の個人情報に対して、個人による開示請求権や削除権など一部規定の適用が2023年1月1日まで猶予されている(注2)。セミナー講師のS&K Brussels法律事務所の杉本武重弁護士は、役職員などの個人情報について「雇用関連以外の目的で利用した場合は、猶予の対象ではなくなる。適用猶予となる利用目的をしっかり理解する必要がある」と説明した。また、取引先の従業員の個人情報についても「BtoB文脈で収集した取引先の担当者の個人情報を商品やサービスの提供や受領とは異なる文脈でマーケティングに用いた場合などは、猶予の対象から外れる」と説明した。さらに、クッキーを通じてウェブサイト訪問者の個人情報を取得するケースなどは、CPRAの全面的な対象になるという。

(注1)オンラインセミナーの資料は添付資料参照。

(注2)役職員などの雇用に関連する個人情報や取引先の従業員の個人情報については、2020年9月にカリフォルニア州知事が署名したCCPAの改正法(AB1281)で、11月の住民投票が否決された場合には一部規定の適用が2022年1月1日まで猶予されると定められていた。11月の住民投票可決に伴うCPRAの規定により、それら個人情報に対する一部規定の適用は2023年1月1日まで猶予されることとなった。

執筆者紹介:
ジェトロ・サンフランシスコ事務所 石橋 裕貴(いしばし ゆうき)
2011年、ジェトロ入構。海外調査部(2011年~2016年)、ジェトロ沖縄(2016年~2018年)を経て、2018年7月より現職。

在宅勤務拡大でベイエリアの経済環境に変化

オフィス賃料下落や都市部からの人口流出が進む

>>>JETRO オリジナルの記事はこちらから (1/5/2021 Updated)

米国で新型コロナウイルス感染が拡大して以降、北カリフォルニアのベイエリア(注1)では、オフィス市況の悪化、都市部からの人の流出、公共交通機関の利用者数の低迷が続く。これら経済環境の変化の要因の1つと考えられるのが、企業の在宅勤務の拡大だ。現地進出日系企業向けのアンケート調査結果やベイエリア地域が掲げる長期目標をみると、感染終息後も、ベイエリアでは在宅勤務が定着・拡大する可能性も考えられる。

ベイエリアで一層広がる在宅勤務

新型コロナウイルス感染拡大を契機に、ベイエリアでも企業の在宅勤務が拡大した。例えば、ツイッターやドロップボックスが、希望する従業員に対して永続的に在宅勤務を認める方針を打ち出した。このほか、グーグルやフェイスブック、ウーバーテクノロジーズも、2021年夏まで在宅勤務を認めるという。このように、ベイエリアに本社を構える大手テック企業は、オフィスへの通勤を前提としない働き方を一気に実践に移した。ベイエリアではこれまでも、柔軟な勤務体制をとる企業は少なくなかったが、新型コロナウイルスに伴う経済活動制限が、それに拍車をかけたといえる。

また、ベイエリアの日系企業も、2020年3月以降の新型コロナウイルス感染拡大で、在宅勤務体制を敷き、その後、感染状況やカリフォルニア州、所在する郡の命令の動向にも左右されながら、在宅勤務体制を続ける企業が多い。

オフィス市況の悪化による賃料下落

在宅勤務の拡大は、ベイエリア経済に大きな影響を及ぼしている。その1つが、オフィス需要の減少だ。不動産サービス大手CBREによると、サンフランシスコ中心部のオフィス空室率は近年、低下基調にあった。しかし、2020年第3四半期(7~9月)には8.3%と、前年同期(3.8%)から2倍以上に跳ね上がった(都市圏全域でも4.8%から9.0%に上昇)。また、吸収需要(Net Absorption、一定期間で占有された面積の合計から手放された面積の合計を減じた差)をみると、サンフランシスコは2020年第1~第3四半期までに、約マイナス420万平方フィート(約39万平方メートル)だった。全米の主要都市の中でもマイナスが大きかったことになる。サンフランシスコに本社を構える企業の中には、既に持つオフィスを売却する例がある。それだけでなく、写真共有サイトを運営するピンタレストのように、新規オフィスのリース契約を取りやめる事例も出ている(2020年9月4日付ビジネス短信参照)。

こうしたオフィス需要の低迷は、賃料の下落を招いた。CBREによると、サンフランシスコ中心部の2020年第3四半期の平均オフィス賃料は、1平方フィート当たり80.64ドル。前年同期比8.0%減だった。今後のオフィス市況に関して、現地不動産関係者は、「サンフランシスコでは、市況の回復に時間がかかるのではないか」「オフィスの立地が郊外へより広がる可能性があり、中心部のオフィス需要は低い状態が続く」との見方を示している。

加速する都市部からの人口流出

在宅勤務の機会が増え、都市中心部からの人口流出も進む。引っ越し関連サービスなどを提供するマイ・ムーブが米国郵便公社(USPS)に提出された住所変更届のデータを分析したところ、2020年2月1日~7月31日の期間に移住した人数は、米国全体で前年同期比3.9%増の1,590万人だった。都市別に増減をみると、大都市部で流出が顕著だ。サンフランシスコからは、全米4位の規模となる約2万7,000人が移転した(図1参照)。在宅勤務の拡大や人口流出の影響もあり、新型コロナ禍でベイエリア5郡(注2)を結ぶ鉄道BARTの利用客数は、3月中旬以降、運営会社の想定に比べて80%以上少ない日が続いている。

流入数上位10都市は、1位から順にケイティー(テキサス州)4,414人、リッチモンド(テキサス州)3,000人、フリスコ(テキサス州)2,604人、イースト・ハンプトン(ニューヨーク州)2,476人、ジョージタウン(テキサス州)2,337人、リアンダー(テキサス州)2,294人、サイプレス(テキサス州)2,147人、カミング(ジョージア州)2,128人、リバービュー(フロリダ州)2,093人、メリディアン(アイダホ州)2,088人。流出数上位10都市は、1位から順にニューヨーク(ニューヨーク州)11万978人、ブルックリン(ニューヨーク州)4万3,006人、シカゴ(イリノイ州)3万1,347人、サンフランシスコ(カリフォルニア州)2万7,187人、ロサンゼルス(カリフォルニア州)2万6,438人、ネープルス(フロリダ州)2万2,100人、ワシントンDC1万5,520人、ヒューストン(テキサス州)1万4,883人、フィラデルフィア(ペンシルベニア州)1万2,833人、フォート・マイヤーズ(フロリダ)1万1,889人。
図1:米国の移住者流出入数上位10都市(2020年2月1日~7月31日)

また、ベイエリアのテック企業の従業員を対象に実施されたアンケート(注3)によると、「在宅勤務開始以降、ベイエリア外へ移転したか」という質問に、15%が「移転した」と回答した(回答者数:3,334人)。さらに、未移転の回答者に「好きなだけ在宅勤務ができるなら、ベイエリアからの移転を検討するか」と聞いたところ、「移転を検討する」との回答が59%に上った(回答者数:2,418人、図2参照)。ベイエリアからの人口流出には、こうしたテック系人材の移動も寄与しているとみられる。さらにテック業界では、ヒューレット・パッカード・エンタープライズやオラクルなど大手テック企業が、本社をベイエリアから移す動きもみられるようになってきた(2020年12月21日付ビジネス短信参照)。

「在宅勤務開始以降、ベイエリア外へ移転したか」という質問に対して、回答者3,334人のうち、15%が「はい」、85%が「いいえ」と回答した。また、「好きなだけ在宅勤務ができるなら、ベイエリアからの移転を検討するか」という質問に対して、回答者2,418人のうち、59%が「はい」、41%が「いいえ」と回答した。
図2:ベイエリアからの移転に関するテック系企業の従業員の意識

コロナ後も在宅勤務が定着・拡大する可能性も

新型コロナウイルス感染の再拡大を受け、カリフォルニア州では2020年12月に入り、地域単位の自宅待機令(2020年12月9日付ビジネス短信参照)が発令された。12月現在、州内の多くの地域で、在宅勤務ができない重要なインフラ部門(注4)以外の企業は、在宅勤務が求められている。しかし、新型コロナ禍が終息しこうした経済制限措置が解除されたとしても、在宅勤務は維持または拡大する可能性がある。ジェトロが11月に在カリフォルニア州の日系企業向けに実施したアンケート調査(注5)で今後の勤務体制を聞いたところ、半数以上(55%)が、新型コロナウイルスの完全終息後に「オフィス勤務と在宅勤務を組み合わせた勤務体制を検討している」と回答した(2020年12月4日付ビジネス短信参照)。地域別には、ベイエリア(60%)は、ロサンゼルス都市圏(51%)よりもその割合が高かった。

また、ベイエリアの地域目標として、長期的に在宅勤務の拡大が図られる可能性もある。都市交通委員会(MTC、注6)が策定中のベイエリアの長期ビジョン「Plan Bay Area 2050」では、目標の1つに「排出ガスの削減」を掲げた。2020年12月にMTCが発表した最終計画に関する資料によると、2015年時点で通勤手段の71%を占める「車」の割合を2050年までに53%に減らし、その分を公共交通機関や徒歩・自転車での通勤、在宅勤務の拡大で代えることを目指す、とした。環境対策の一環として、在宅勤務の活用が位置付けられたかたちだ。今後の在宅勤務に関係する政策の行方が注目される。


注1:サンフランシスコ湾を囲む9郡(サンフランシスコ、サンマテオ、サンタクララ、アラメダ、コントラコスタ、ソラノ、ナパ、ソノマ、マリン)を含む地域の総称。ベイエリアの人口は2018時点で約775万人(米国勢調査局)、域内総生産は1兆364億ドル(米商務省経済分析局)。ベイエリア日系企業調査の動向については、ジェトロの「ベイエリア(北カリフォルニア)日系企業実態調査2020年」も参照。注2:サンフランシスコ、アラメダ、コントラコスタ、サンマテオ、サンタクララの5郡。注3:人材関連プラットフォームを運営するブラインドが実施。調査結果は、2020年8月に発表された。注4:必要不可欠なインフラ部門に該当するのは、医療関係、緊急サービス部門、食品・農業、エネルギー、上下水道、輸送・物流、情報通信など。注5:調査実施期間は11月16~20日。回答企業数は284社。回答企業には、現地在住の日本人が起業した会社など、日本に本社を構える企業の現地法人以外も含まれる。注6:ベイエリア9郡の輸送機関の計画策定や資金調達などを担う公的機関。各自治体幹部も参加する。MTCは、Metropolitan Transportation Commissionの略。


執筆者紹介ジェトロ・サンフランシスコ事務所
石橋 裕貴(いしばし ゆうき)2011年、ジェトロ入構。海外調査部(2011年~2016年)、ジェトロ沖縄(2016年~2018年)を経て、2018年7月より現職。

感染者全米最多のカリフォルニアで、デジタル化・リモートワークが進展

コロナ禍対応に追われる日系企業

https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2020/c9fa240add8304c7.html

2020年8月26日

カリフォルニア州の新型コロナウイルスの累計感染者数は、8月下旬時点で66万人に上る。全米の州で最多だ。経済活動の制限が続き、企業は厳しいビジネス環境下に置かれている。本稿では、在カリフォルニア州日系企業の売り上げや雇用への影響、オフィス再開の見通し、「アフターコロナ」の事業戦略などについて、アンケート結果やヒアリングを基に報告する。

経済再開は後退へ

カリフォルニア州では7月以降、新型コロナウイルスの感染状況が再び悪化した。感染の再拡大を受けて、ギャビン・ニューサム知事と公衆衛生局は7月13日、州内の全ての郡に対して、レストランや映画館の屋内営業の再停止や、バー、パブなどの再閉鎖を命じた(2020年7月16日付ビジネス短信参照、注1)。これにより、5月8日から段階的に進めてきた州の経済活動の再開が後退した。

屋内営業が停止されているカリフォルニア州の飲食店には、ソーシャルディスタンスに配慮しながら、屋外スペースに机や椅子、テントなどを設けて、営業を継続している店舗もある。これら事業者は、サンフランシスコなど各自治体が飲食店や小売業など向けに実施する、支援プログラムを活用しているとみられる。このプログラムでは、歩道、駐車スペース、道路などの公共スペースでビジネス目的の利用が許可される。

屋外スペースを活用し、営業する飲食店の様子(ジェトロ撮影)

感染拡大がより深刻な郡は、経済活動が一段と厳しく制限されている。州政府が公表する新型コロナウイルスに関する重点監視郡のリストに3日連続で掲載された郡での規制は、レストランなどの営業制限(前述)に留まらない。加えて、フィットネスセンターや理美容院、ショッピングモールなどの営業(注2)や、重要なインフラ部門に該当しない事業(注3)のオフィスの閉鎖が求められる。同リストには、感染者数や入院率、医療機関の患者受け入れ態勢などの指標で、州政府が設定した基準に満たない郡が掲載される。ロサンゼルスやサンフランシスコ、サンタクララなど、州内で人口の多い主要都市はほとんど含まれているのが現状だ(8月19日現在)。感染が続く地域では、感染への懸念などから住民による公共交通機関の利用も減っている。例えば、サンフランシスコを含むベイエリア5郡(注4)を結ぶ鉄道BARTの利用客数は、3月中旬以降、運営会社の想定に比べて80%以上減の日が続く(注5)。

日系企業の現状、約8割は雇用継続に影響なし

経済活動への制限が続く中、カリフォルニア州に所在する日系企業はどのような影響を受けているのか。ここでは、ジェトロが6~7月に在米日系企業を対象に実施した新型コロナウイルスに関するアンケート調査結果(注6)から、在カリフォルニア州企業(回答数:208社)の回答結果を抽出し、「売り上げ」「雇用」「今後の事業戦略」の3つの観点からみる。

第1に、売り上げへの影響はどうか。6月の売り上げ(見込み)について、前年同月比で「減少」と回答した企業は約6割(61.6%)に上った(図1参照)。厳しい経営状況が続いていることがわかる。もっとも、その割合は全米平均(71.7%)より約10ポイント低かった。また、前年同月比で「増加」と回答した企業も12.3%と、全米平均(7.2%)を上回った。アンケート結果やジェトロ・サンフランシスコ事務所が各企業に行ったヒアリングを踏まえると、売り上げが伸びているビジネスは、新型コロナ対策に付随した需要やオンライン需要をうまく取り込んでいるといえそうだ。また、「エッシェンシャル・ビジネス」に含まれる企業の売り上げは底堅いようだ。

図1:在カリフォルニア州日系企業の2020年6月の売り上げ状況
(前年同月比)

出所:ジェトロ「第5回在米日系企業の新型コロナウイルス対策に関わる緊急・クイックアンケート調査結果」

第2に、雇用への影響をみる。アンケート調査では、カリフォルニア州企業の約8割(78.7%)が「雇用継続に影響なし」と回答した。全米平均(68.2%)に比べ、約10ポイント高かった。実際にジェトロのヒアリングでは、「解雇や一時解雇は行っていない」とする企業は多い。ただし、小売業や飲食業をはじめ、従業員の解雇や一時解雇を迫られる事業者が出ていることも事実だ。

デジタル化、リモートワークを拡大する企業は全米平均を上回る

第3に、「アフターコロナ」の事業戦略に関して、在カリフォルニア州日系企業はデジタル化に前向きだ。アンケート調査結果では、4社に1社が「デジタルマーケティング、人工知能(AI)利用などデジタル化の推進」(28.7%)や「バーチャル展示会、オンライン商談会などの活用推進」(28.2%)と回答した。また、これらそれぞれの回答割合は、全米平均を上回った(図2参照)。実際、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、企業にとって販路開拓やネットワーク拡大のツールとなる展示会やカンファレンスでは、オンライン形式への移行が相次いでいる。例えば、当初カリフォルニア州で開催する予定だったスタートアップ・カンファレンス「Disrupt 2020」(2020年9月14~18日)やモノのインターネット(IoT)技術に関する展示会「IoT Tech Expo 2020」(2020年11月4~5日)、ネバダ州ラスベガスで開催を予定したハイテク技術見本市「CES 2021」(2021年1月6~9日、2020年7月30日付ビジネス短信参照)などは、オンライン開催が発表されている。

図2:コロナ後に対応した事業の見直し(複数回答)

出所:ジェトロ「第5回在米日系企業の新型コロナウイルス対策に関わる緊急・クイックアンケート調査結果」

在カリフォルニア日系企業では、在宅勤務やリモートワークの拡大を考えているところも多い。カリフォルニア州では、3月半ばに発令された自宅待機令は依然解除されていない。このため、エッシェンシャル・ビジネスなどの従業員以外は、原則として在宅勤務が求められている。アンケート調査では、コロナ後の業務態勢の見直しについて、「在宅勤務やテレワークの活用拡大」と回答した在カリフォルニア日系企業が8割(80.4%)に達した(全米平均:74.1%)。また、ジェトロが2~3月にベイエリア所在の日系企業向けに実施した調査(注7)によると、新型コロナウイルス感染拡大前から、回答企業のうち約4割が在宅勤務を導入済みだ(2020年8月6日付ビジネス短信参照)。感染拡大前から在宅勤務態勢を取っていた企業に話を聞くと、「在宅勤務の拡大がスムーズにできた」、さらには「新型コロナウイルスの終息の有無にかかわらず、引き続き在宅勤務を実施する」といった声が聞かれた。

他方で、カリフォルニア州のベイエリアには、研究開発拠点を持つ企業も多い。そうした企業からは、「在宅だと業務の制約がある」という指摘もある。また、コロナ後も在宅勤務を認めることを考えている企業には、「在宅体制が定着した中で、コロナ以前の勤務環境へ完全に戻すことは難しい」「感染が完全に払拭(ふっしょく)できない環境下では、在宅を続けざるを得ない。現地従業員からの不安の声もある」といった考えを漏らす企業もある。オフィス再開の見通しを聞くと、「5月以降、カリフォルニア州が経済再開を段階的に進める中で、7月中旬からのオフィス再開を考えていた。しかし、再開計画が頓挫し、今は先が見通せない。州や所在する郡の今後の動向を注視したい」と、経済活動再開が計画どおり進まないことに懸念を示す企業も多い。

7月からはCCPA執行開始への対応も課題に

在カリフォルニア州日系企業にとっては、個人情報の取り扱いも難しい問題だ。カリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA:California Consumer Privacy Act、注8)は、新型コロナウイルスとの関係でも課題となっているのだ。

CCPAは、2020年1月に施行された。その後、ザビエル・ベセラ州司法長官は6月30日、CCPAの執行を7月1日から開始すると発表した(2020年7月9日付ビジネス短信参照)。多くの企業が感染対策に追われるタイミングでの執行開始となった。このため、企業からは対応に苦慮する声も聞かれる。例えば、感染対策として体温など従業員の健康状態を把握する場合、取得した健康情報の一部がCCPAの定義する「個人情報」に該当する可能性がある。企業は感染予防とCCPA、両にらみで対策を打つことを迫られている。


注1:バー、パブは屋内・屋外とも原則閉鎖。ただし、屋外席で食事を提供する場合などは営業可能。
注2:店舗前での商品受け渡しや屋外スペースでの営業は可。
注3:「重要なインフラ部門」は、州政府が指定する。
注4:サンフランシスコ、アラメダ、コントラコスタ、サンマテオ、サンタクララの5郡。
注5:人の移動数については、移動手段によって状況に違いがある。感染リスクが低い車での移動量は回復傾向にある。各国の車両交通量(走行距離)のデータを公表しているインリックス(Inrix)によると、カリフォルニア州全体の交通量は、経済再開を始めた5月以降増え始め、7月上旬時点で新型コロナウイルス拡大前の8割、サンフランシスコ都市圏は同7割程度の水準まで回復した。
注6:6月26日~7月1日に実施し、961社から回答を得た。アンケート結果の全文は、北米における新型コロナウイルス対応状況のページの「第5回在米日系企業の新型コロナウイルス対策に関わる緊急・クイックアンケート調査結果」(1.91MB)から閲覧できる。
注7:2月21日~3月13日に実施し、237社から回答を得た。アンケート結果の全文は、ジェトロウェブサイトで閲覧できる。
注8:CCPAや規則については、2019年6月6日付地域・分析レポートや「CCPA実務ハンドブック」も参照。


執筆者紹介ジェトロ・サンフランシスコ事務所
石橋 裕貴(いしばし ゆうき)2011年、ジェトロ入構。海外調査部(2011年~2016年)、ジェトロ沖縄(2016年~2018年)を経て、2018年7月より現職。


サンフランシスコ市・郡が独自の経済再開計画を発表、店内飲食は6月15日再開の可能性 

https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/06/b38a1b748c996671.html

サンフランシスコ市・郡は5月28日、段階的な経済再開に向けた計画を発表した。同市・郡は既に5月中旬から一部経済活動を再開したが、今回の計画は6月以降の長期的な内容を含む。同市・郡では、カリフォルニア州が発表した4段階の再開計画「再開へのロードマップ(Update on California’s Pandemic Roadmap)」に基づき、同計画の第2段階をさらに3つの段階(2A、2B、2C)に分けて、徐々にビジネス再開を行う。同市・郡の計画の各段階で再開が認められる主なビジネスは次のとおり。

【第1段階から第2A段階(~6月14日)】

・全ての建設プロジェクト
・従業員50人以下の必要不可欠な製造業、卸売業、賃貸業、運送業
・不動産取引の対面でのサービス
 (社会的距離の確保とフェイスカバー着用の必要あり)
・小売業のカーブサイド・サービス(注1)による営業
・屋外娯楽活動向けの備品レンタル
・不要不急のビジネスに従事する従業員は在宅勤務を行うことが求められる

【第2B段階(6月15日の移行が目標)】

・従業員50人超の全ての製造業、卸売業、賃貸業、運送業
・レストラン、バーの屋外での飲食提供
・屋内の小売業
 (ただし、ショッピングモールは再開計画の承認が必要)
・屋外でのフィットネス
・業務上必要な場合を除き、在宅勤務が引き続き求められる

【第2C段階(7月13日の移行が目標)】

・理美容院
・屋内での飲食提供(レストランを念頭)
・不動産のオープンハウス(予約制のみ)

【第3段階(8月中旬の移行が目標、注2)】

・ジムやフィットネス施設
・映画館、ビリヤード、ボーリング場など限定的な屋内の娯楽施設
・第2段階までに再開が認められていなかった全ての個人向けサービス(ネイルサロン、マッサージ店、タトゥー店など)
・バー

【第4段階(移行時期未定)】

・ナイトクラブや観客を入れたスポーツの試合、ホテルなどを含む全てのビジネス活動が再開可能
なお、サンフランシスコ市・郡で現在発令中の自宅退避令について、ロンドン・ブリード市長は5月28日の会見で、「無期限に延長する。再開計画は実行されるが、住民には引き続き自宅退避を求める」と述べた。

経済再開の1つの節目となる飲食店の着席サービスの再開状況をみると、北カリフォルニアのベイエリア9郡(注3)のうち、ナパ郡(屋外・屋内ともに可、バーなどを除く)やソラノ郡(屋外・屋内ともに可、バーなどを除く)、ソノマ郡(屋外のみ可、バーなどを含む)が制限付きで再開を認めている(5月28日時点)。ジェトロが確認したところ、ソラノ郡の飲食店では依然、休業やデリバリーや持ち帰りのみで営業している店も多い。

(注1)消費者がオンラインで注文した商品を実店舗の駐車場などで車から降りることなく受け取れるサービス。
(注2)第3段階の中で段階をより細かく分ける可能性がある。
(注3)アラメダ郡、コントラコスタ郡、マリン郡、ナパ郡、サンフランシスコ郡、サンマテオ郡、サンタクララ郡、ソラノ郡、ソノマ郡
(ジェトロ サンフランシスコ 石橋裕貴)

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https://jweeklyusa.com/7450/event/release/

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