サンフランシスコ日本語補習校  世界で第一の生徒数を誇る補習校

 ベイエリアに暮す日本にゆかりのある子どもたちが、日本の公教育に準じた教科学習や日本的な学校行事等の学習を日本語で行っています。文部科学省から3名の教員が派遣され、校長、教頭として授業づくりの指導をしています。1969年の創立以来50年に渡り、日本語に浸りながら、日本の文化や見方・考え方を学び、発達段階に応じた日本語での学びを目指しています。また、日本にゆかりのあるアイデンティティの確立と国際社会に貢献しようとする意欲を育むことを願っている学校です。

 幼児・児童・生徒は約1,500名、教職員約130名で世界屈指の大規模補習校です。学校は4校に分かれていて、サンフランシスコ地区に幼小部と中高部、サンノゼ地区に幼小部と中高部があり、幼児・児童・生徒の発達段階を考慮しながら、学習指導要領に合わせた教育課程を行っています。通常は毎週土曜日、4か所に分かれて授業を行っています。学年によって一日の授業時間は異なりますが、およそ午前9時頃登校して昼食をはさみ、午後2時から3時頃が下校です。学習する教科は国語と算数・数学、学年によって社会や理科も学習します。また、校内生活では児童会・生徒会活動、学級活動もあります。国語科の言語学習だけではなく、他の教科や多様な活動を体験することで、実践的で汎用性の高い日本語を身につけ、豊かな日本語力を育みたいと考えています。

※写真は昨年3月以前の授業風景です。

 現在はコロナ禍の影響で、通常の対面式の授業ではなく、オンラインによる新しい授業形態で毎週土曜日に学習を進めています。オンライン授業では、ZoomやGoogle Classroomを活用してVTRで課題を提示したり、ライブで先生の投げかけに子どもたちが応じたりする授業を行っています。子どもたちは手元に教科書やノートを用意して、画像からはデジタル教科書や先生が語りかけて示す白板を見ながら学習をすすめていきます。学年が上がるにしたがって、グループ学習を取り入れ、仲間と学び合いながら思考を深めていく工夫をしています。

 今年度の重点目標は、「日本語で学ぶ楽しさを感じる授業」です。
①「聞く・話す」という音声言語で学びを広げて、「読む・書く」という文字言語で学びを自分の中に刻み込み、日本語の力の着実な向上を目指します。
②子どもの自主的、自発的な活動を支援して、温かい人間関係がある挨拶のあふれる学校を目指します。
③子ども一人一人が学ぶ楽しさや、「わかった。できた。」という成就感を味わう授業を目指します。
④新しい学習指導要領の実践と、移行期を捉えた教材研究や授業研究を推進していきます。また、オンラインでの授業を効果的に行うための授業研究に努めます。

 コロナ禍によって不自由な生活や学習が続いているわけですが、子どもたちは、オンラインによるコミュニケーションの持ち方や授業参加について学ぶことができたと思います。また、今まで当たり前のようにしていた対面授業の素晴らしさを再確認できたことも、大きな経験の一つとして生かして欲しいと願っています。私たちの願いは、校歌の歌詞にある「いつか世界の懸け橋に」を合言葉に、優しくそしてたくましく、自分の道を切り開き、国際社会に貢献する生きる力を具えた人を育んでいくことです。現地校の学習と日本語での日本の学習を続けることは、子どもにとって本当に大変なことです。学習に対する意欲や理解するタイミングは、一人一人異なりますが、保護者の方々と連携しながら、子どもたちの学ぶ意欲を支援していきたいと考えています。


サンフランシスコ日本語補習校
22 Battery St. Suite #612,
San Francisco, CA 94111(事務局)
www.sfjs.org
415-989-4535