みなさま、こんにちは。ベイエリアで20年以上ピアノ教室を主宰している、有座なぎさです。これから毎月第四週目に、音楽教育について、またアメリカでの子育てについて、コラムを担当させていただくことになりました。どうぞ宜しくお願いいたします。
「音楽教育のススメ」第1回は、「音楽のレッスンを始めるのはいつがいい?」というトピックについてです。これは、小さいお子さんをお持ちのお母様からよく聞かれる質問のひとつです。右のグラフ(出典・ヤマハ公式サイト) をご覧ください。
聴く力は4歳前後からぐーんと伸びていますが、弾く力の方はそれよりもやや遅く、6歳くらいから急速に発達しています。聴く力(聴覚)と弾く力(指先)の発達時期にはやや時間差があり、聴覚の発達は、お母さんのお腹にいるときからその発育は始まっていますが、一方の弾く力、つまり指先の発達は、全身の大きな筋肉が発達したのち、指先などの細かい筋肉が発達していきます。ですから、実際にピアノや鍵盤楽器などを使用した音楽のレッスンは、4歳〜5歳くらいからスタートするのが理想的かなと思います。もちろん個人差がありますので、3歳でもピアノに興味を持って弾き始めるお子さんもいますし、5歳でもなかなかピアノの椅子に座ることができないお子さんもいます。小さなお子さんの場合は、まずはご家庭で、童謡や聞きやすい曲から、親御さんと一緒に音楽を聞く時間を持っていただくのがいいと思います。「ぞうさん」や「犬のおまわりさん」など、お母様が知っている曲をお子さんと一緒に口ずさんだりすると、なお一層音楽への興味や関心が湧いてくることでしょう。音楽に合わせて身体を動かしたりする働きかけもとても効果的です。よちよち歩きのお子さんでしたら、お膝の上に乗せてあげて、音楽と一緒に膝を上下するだけでもお子さんはとても喜びます。そうやってお母様と一緒に音楽を楽しむ経験が、お子さんの「音楽って楽しい!」「お歌が上手に歌えるようになったよ!」「ピアノやいろいろな楽器が弾いてみたい!」という気持ちにつながっていくと思います。
次回は、「②ピアノ vs 電子ピアノ どこが違うの?」をお届けします。