人気絵本作家 宮西達也さん

人気絵本作家 宮西達也さん

子供だけでなく大人も意識したストーリー作りを徹底されておりますか?

僕の絵本は基本的に大人向けに書いている本なんです!逆に言いますと子供を意識して作った事はないんですよね。僕が思ったこと、感じたことを子供でも分かるような優しい文章にして書いている、絵日記風にしていますのでよくお母様方からは「涙なくして読めないです」と言われております。絵本は人間が読むものだと思っています。大人も子供も沢山の方が読んで頂ければ嬉しいですね。

大人気ティラノサウルスシリーズで伝えたいことは「愛」。なぜその言葉をテーマに選んだのでしょうか?

初回の「おまえうまそうだな」英語版「You Look Yummy !」は本当は恐竜の「ウー」とか「ワ~」というような本を書くつもりではなく心の問題を素直に書きたいと思いを書いたところ、思いがけずに大ヒットしてしまいました(笑)。ポプラ社様の方からもぜひ続編をというお声も頂き、お父さんと子供の愛、お母さんと子供の愛、兄弟の愛など様々な愛を書いていこうと思った次第です。私自身が(父親)が子供に思う愛を素直に書いたところがありますね。

プロの絵本作家になるには、どんなことが必要ですか?

一つ目は、「人」だと思います。私の場合もある評論家の先生が「この本はおススメだよ」と強いお墨付きを頂いてそれから徐々に売れていったという経緯があります。

二つ目は、いい本を作ろうとう気持ちを忘れないことだと思います。売れよう売れようとこだわると売れる本は書けません。いい本を書こうと思えばその本はきっと売れるはずです。手を抜かず今までにないような本を心を込めて書いていくのが重要なのではないかと思います。貧乏時代は売れよう売れようと意識しながら書いた時も少しはありましたがこれじゃいけない!いい本を書こうと徹したことがよかったのだと今になって思いました。

絵本作家になっていなかったら何をされていたと思いますか?

元々は絵を描く仕事につきたいと思って大学にはいりました。イラストレーターになりたいと若いころは考えておりました。が、たまたま絵本を書く機会を頂いてそれを読んでいる読者が感動しているのをみて感動して絵本を書こうと決めました。

絵本作家を目指している若者たちに一言お願いをします。

正解がある世界ではないので確かに難しいとは思います。「この絵本が好きか嫌いか」で我々は評価が決まってしまいますからね…そういう意味では誰かに似ている本を書いていては難しいと思います。絵が上手いか下手かは別として自分らしい独自性のある絵や文章を書くのが良いのではないでしょうか?そして時代の流れに惑わされずにそれを徹底していくのがよいのかと思います。

日頃から読み聞かせをしているおとうさん、おかあさんに一言お願いします。

読み聞かせの本を選ぶポイントは今流行っているとか今売れている本というポイントではなく図書館などで読んでみてまずは自分が感動できるか、自分がよい本だなと思えるかが重要なポイントだと思います。その気持ちは読んでいれば必ず子供達に伝わります。そこが一番重要な事なのだと僕は思います。

宮西達也さん(絵本作家)
『おとうさんはウルトラマン』『おまえうまそうだな』など数々のヒット作を生み出す。ティラノサウルスシリーズなどの大ヒット作品は英語に翻訳されてアメリカでも販売されている。