誰もが一度は耳にしたことがある「オバマケア」はトランプ政権になり廃止も検討されましたが、一部変更がありつつも現在まで続いております。健康保険の有無がタックスリターンに影響を与える場合もありますので、要点をおさらいしておきましょう。
オバマケアって何?
「オバマケア」とは、The Patient Protection and the Affordable Care Act(医療保障制度改革法)という法律のニックネームです。この法律によりアメリカ国民全員が健康保険に加入することが義務づけられました。国民全員が健康保険に加入することにより、ひとりひとりの医療費の負担を減らすこと及び医療の質の向上を目的として2010年度に発行され2014年1月から開始されています。
これにより変わった内容のうち保険に加入する側の私たちに関係のある部分をまとめると、左記の内容となります。
①国民は健康保険に加入することが義務となり、未加入者にはペナルティーが課される(2019年Federalレベルでは廃止となりましたが、2020年CA州は州税としてペナルティー課税されます。)
②保険会社は病歴や妊娠中を理由に保険加入を拒否できなくなった
③保険のカバーする最低基準が設けられた
④家族の収入と人数によって、Premium Tax Creditと呼ばれる助成金が受けられるようになった。(2020年よりCA州によるSubsidyが加わります)
⑤個人が健康保険に加入できる期間は、Open Enrollment Period(年に一回のみ)に限られる。ただし、結婚・離婚・失業・引っ越しなど一定の条件を満たす場合は期間外でも加入が出来る
CA州在住の方は下記のいずれかの方法で、健康保険に加入することになります。
●Group insurance
●Individual & Family insurance
●Medicare/Medi-Cal
海外旅行保険や、駐在員保険などは条件を満たしませんのでご注意下さい。
ペナルティー(罰則)って?
CA州では健康保険の加入が義務となり、保険に未加入の方にはペナルティーが発生します。「世帯収入の2.5%(最大で1万3100ドル)」もしくは「一人につき695ドル(世帯最大で2085ドル)」のどちらか大きい方です。ペナルティーはタックスリターン時に徴収されます。
TAX Creditについて
カリフォルニア在住の方は、世帯収入と家族の人数によっては「Covered California」というマーケットプレイスを通して保険を購入することで保険料の助成金を受け取ることができます。ある程度収入があっても家族の人数が多い場合には助成金を受けられる可能性が高まります。
2020年度 Open Enrollment Periodについて
2020年度の保険に申請が出来る期間は、2019年10 月15日から2020年1月31日までで、この期間を逃すと特別な条件以外では個人用の健康保険に加入が出来ません。(グループ保険は別です)また、申込日により保険が開始するタイミングも異なります。なぜこのような制限が設けられたのかというと、病気になってから保険に加入すると保険会社のコストが上がり、保険料の値上がりを引き起こしてしまうためです。
アメリカの健康保険の詳しい仕組みやプラン内容は次のコラムでお伝えします。健康保険の新規加入や見直しは期間中でないと出来ませんので、早めのご相談をおすすめします。