第50回 :教育シリーズ❸ 日本とアメリカの教育費用の違い

アカデミックカレンダーの差が生む影響
Semester? Session? Trimester? Quarter?

日本の小中学校、高等学校では3学期制を採用しているのがほぼ一般的なのに対して、アメリカでのアカデミックカレンダー(学期制)は州、カウンティ、学校によっても実に様々。

ただ幸運なことに(?)ベイエリアのほとんどの小中、高等学校では同じ3学期制度(Trimester)を採用しているため、日本と同じ3学期制!と思っていても、そもそもアメリカと日本の学校ではスクールイヤーが異なるためにその整合性は残念ながらありません。日本の学校年度(School Year)が4月から3月なのに対して、アメリカでは9(8)月から6(5)月までが一般的だからです。

このスクールイヤー、アカデミックイヤーの違いは世界的に見ても日本の子供達が海外に出る際に不利な条件とも言えます。添付資料を見ても圧倒的に9月始まりが多いことが分かるでしょう。アメリカでは州が決めた「Cut-off Date」により学年が決まり、その規定も日本とは異なるため、日本では小学校2年生が始まったばかりで渡米したきたのにアメリカではすぐに3年生がスタートする、というケースが起こってしまうのです。小学校の学年単位で学ぶ教育カリキュラムには日米で差はあるものの、1学年弱の飛び級を余儀なくされてしまうことや学年が変わることで生じる学力の差は学齢期のお子様をもつご両親にとっては切実な問題です。そこで抜け落ちてしまったカリキュラムの補填、学力維持・向上のために多く利用されているのがTutoringシステム(家庭教師制度)です。

Tutoringシステム(家庭教師)

家庭教師(Tutoringシステム)の浸透性、利用度は断然アメリカの方が高いにも関わらず、その料金も高額です。資料の平均額はベイエリアで実際利用されている方達からの意見によると、現状はこれよりも30-50ドルほど高いようです。何故なら平均の数字には経験が無い高校生や未だ一人も教えていないTutorも含まれているからです。実際に稼働していて尚且つ一定の経験も評判もある、信用あるTutorを探すとなると必然的にその料金もUPするのが現実です。教育資金への影響を考えると軽視できない金額となります。そしてこの時期、Tutor含め学校の先生などに感謝の気持ちを示す「ホリデーギフト」はアメリカの慣習の一つであり、こちらも年末の大きな出費の一つです。

ホリデーギフト年末の出費?

日本では「お中元・お歳暮」の文化がありますが、アメリカではこのホリデーシーズンに感謝の気持ちを示して学校の先生などにギフトを送る慣習があります。寄付金の「クラス費」からはクラス単位で、そして別途それぞれのご家庭からは個人単位でギフトが送られます。クラス費の平均は生徒一人頭20-25ドルの集金が多いようです。各家庭から担任の先生だけではなく副担任の先生、各専門教科の先生、お稽古事の先生、と人数が増えればホリデーギフトの予算も多く取っておく必要があります。

Consumer Reportの調査によるとこの時期の先生へのホリデーギフト予算で最も多かった回答は先生一人あたりに20ドルでした。渡す際に欠かせないものとしてサンキューカード、それに加えAmazon gift cardやスーパーマーケットのgift cardといった封筒にまとめて入る、“現金と同等価値のあるもの”が主流となっています。
一方、年明けのご挨拶といった習慣はなく、お正月の「三が日」もありません。学校区によっては1月2日から始まった年も。アカデミックイヤーやこの時期の出費先などを把握し、計画性のある年越しを!