みなさま、こんにちは。シリコンバレーでピアノ教室を主宰している、有座なぎさです。今月は、前回に引き続き、大学進学で音楽をメジャー(専攻)にする場合についてお話します。
今回は、実技試験(ライヴ・オーディション)についてお話ししましょう。受験したい学校のライヴ・オーディションを受ける場合は、できれば数日前、遅くとも前日までに現地入りします。オーディションは大抵、1月~3月の寒い時期に行われるため、東海岸・中西部などでは、雪などのために飛行機が欠航する場合もあります。カリフォルニアでは、雪のために飛行機が欠航することは、まずありませんが、東海岸や中西部では頻繁に起こりうることなので注意が必要です。大学ではそのような場合でも考慮してくれません。当日オーディションに来ない生徒は、自動的に棄権と見なされ、不合格となりますので、できれば数日前に現地入りして、時差や気候に慣れ、体調を整えておくことが望ましいですね。せっかく長い時間をかけて準備してきたのに、天候不順のためにフライトが欠航になり、決められた受験日に行くことができなかったのでは、悔やんでも悔やみきれません。
前日までに現地入りしたら、ホテルなどに荷物を置き、時間があれば、事前に大学の下見にいきましょう。音楽棟のビルや練習室、オーディションの部屋などを、廊下あるいは外から見るだけでも心の準備ができます。大学によっては、練習室を貸し出してくれる場合がありますから、そのような時は、係の人の指示に従い、チェック・インやサインナップして、練習室で練習しましょう。近い将来、自分がその大学に入った時に経験するであろう学生生活を体験できる、またとないチャンスです。練習室の数、ピアノの有無や部屋の音響などもチェックしましょう。また近くの部屋から漏れ聞こえてくる音で、他の受験生や在校生たちの演奏レベルも分かりますね。オーディションの当日は、指定時刻よりも早めに出向き、十分に練習室でウォーミングアップします。ライヴ・オーディションの時間は、大抵、一人10 分、長いところで12 分です。15 分以上ある学校はまれです。ですから、十分にウォーミングアップができていないと、調子が出る前にオーディションが終わってしまう結果となってしまいます。オーディション会場は、学内のホールや、オーケストラの練習用の広い部屋の場合もありますし、また個人の先生のスタジオなどの場合もあり、大学によって、また専攻の楽器によって様々です。これまで勉強してきたことを信じて、全て出し切るつもりで演奏しましょう。また大学によっては、オーディションの後に、先生と直接面談する時間を取ってくれたり、トライアルレッスンなどを提供してくれる場合もあるので、トンボ帰りでフライトの予定を入れずに、余裕を持ってスケジュールを組みましょう。シニアの皆さんは、これからがオーディションの本番ですね。ベストの演奏ができるよう願っています。