勤務先のワインショップが、5月に創業30周年を迎え、ささやかながらアニバーサリーパーティを開催しました。長年お付き合いのあるワイン卸業者やワインメーカー、ワイナリーオーナーなど、たくさんの方がお祝いに駆けつけてくださり、その中で自然と、ここ30年間のカリフォルニアワインの変遷についての話が出てきて盛り上がりました。会話から、カリフォルニアワインの成長とともに歩んできたお店であり、今や売れっ子スターワインメーカーや有名ワインとなっている人やワインをいち早く見抜き、デビューやステップアップを、常に品質という物差しを使いながらサポートしてきたお店であることを改めて感じました。
カリフォルニアワインは、特に第二次大戦後の発展がめざましく、1976年の「パリの審判」(フランスの名門ワインと新興国カリフォルニアワインの目隠し試飲で、当時無名だったカリフォルニアワインがトップになった出来事)によって、カリフォルニアワインの質の高さが世界から注目され、業界の成長が一気に加速し、その勢いは衰えることなく現在に至ります。
品質も勢いもあるけれど、フランスやイタリア、スペインなど「オールドワールド」にあってカリフォルニアワインにないものは、長いワイン造りの歴史。歴史がまだ浅いカリフォルニアは「ニューワールド」と言われます。
先日スペインのワイン産地を訪問した際に、1931年や1955年など古いヴィンテージの ワインをいくつも試飲し、歴史あるワイン産地の豊かさを実感。一方、ロンドンで評判のワインバーにふらり立ち寄った時に、バーカウンターで隣に座った人が、偶然にも顔見知りのサンタバーバラのワインメーカーさんでした。彼は元勤務先であるサンタバーバラのピノノワール、それも1987年ものを持ってきていて、 少しお裾分けしてもらい、30年ものでもまだまだ元気な味わいに感動!カリフォルニアワインも、このまま歴史が積み重ねられ、どんどん素晴らしい古酒が出てくるのが楽しみです。