カリフォルニア州の外出・営業制限が各地で段階的に緩和されはじめました。ポスト・パンデミックの状況下で、ワインにまつわる「ニューノーマル」とはどうなるのか、調査機関や研究者たちが発表しているものをいくつかご紹介します。
オンラインショッピング
外出制限の中で、ワインをオンラインで購入する消費者が急増し、制限解除後もオンライン購入がニューノーマルとして定着すると予測されています。実店舗を持たないオンライン専門ショップはもちろん、実店舗を持つ小売店もウェブオーダーに力を入れるようになり、また、ワイナリーも、ウェブサイトからの直接販売に力を入れるようになり、オンラインショッピングがますます充実していきそうです。
オンラインショッピングは、欲しいワインの条件に合わせてソーティングして検索できるので効率的。一方実店舗は、たまたま目に付いたラベルや店員のお勧めなど、知らないワインとの偶然の出会いを楽しめます。
バーチャルテイスティング・バーチャルワイナリーツアー
前回紹介したように、テイスティング禁止という中で、バーチャルテイスティングを提供するワイナリーが急増しました。テイスティングだけでなく、ワイナリー施設の中やヴィンヤードを、オンラインビデオなどを使って映像で案内するバーチャルワイナリーツアーもあります。これも、一時的なものでなく、ワイナリーが提供するニューノーマルのサービスとして定着していくと予測されています。
こうしたバーチャルでのテイスティングやツアーは、ワイナリーに行かずとも楽しめる、気分を味わえることが何よりのメリットですが、これにより、消費者がそのワイナリーをより身近に感じ、興味関心を持って、リアルに訪問することに繋がるという、バーチャルとリアルの相乗効果が期待されています。
ワイナリーテイスティング&ツアー
バーチャルテイスティングが残るとはいえ、やはりワインカントリーに出向いてワイナリーでテイスティングする経験は格別。ニューノーマルでのテイスティングは、ソーシャルディスタンスを保つために、テイスティング席の間隔が広くとられ、空間を広く使えて換気の心配もない屋外席が増え、混み合いすぎないよう予約制を取るワイナリーも増えると予想されています。
パンデミック状況下で、主にインターネットを通じたワインとの新たな付き合い方と、それを経験したからこそ再認識したリアルならではの素晴らしさ、ニューノーマルはその両方を活用して、以前よりもワインをもっと多様に楽しめることを期待したいと思います。