第28回 コンペティション・オーディション情報

みなさま、こんにちは。シリコンバレーでピアノ教室を主宰している、有座なぎさです。
「音楽教育のススメ」と題したコラムを毎月第四週目に担当させていただいています。
今回は、ベイエリア、ナショナル(全米)、インターナショナル(国際)で行われている音楽コンペティション・オーディションについて、その形態と、実際に行っている団体の一部をご案内します。
日頃から真剣に音楽を学んでいる生徒さんは、是非、挑戦してみてはいかがでしょうか。

◆音楽コンペティション・オーディションの形態


①ソロ・コンペティション…ソロの演奏で受験するコンペティション、またはオーディションで、課題曲の有無、年齢によるカテゴリーの有無、演奏楽器(または歌)の種類、実施ラウンドの回数(予選、本選など)、賞金の有無など様々な規模や形態がある。
②コンチェルト・コンペティション…その名の通り、コンチェルト(協奏曲)の演奏で競うコンペティション。優勝者ないしは、上位数名が、オーケストラと演奏できる場合が多い。ベイエリアの主なユース・オーケストラで開催している他、コミュニティー・オーケストラでも行っている場合がある。
③ 室内楽(アンサンブル)・コンペティション…連弾、二台ピアノ、ピアノ三重奏、弦楽四重奏など、様々なアンサンブル形態で受験することができる。

◆ベイエリアで行われている主なコンペティション・オーディション

昨年は、コロナの影響で、開催を中止または延期、あるいはビデオ審査に変更したコンペティション・オーディションも少なからずあった。

【Junior Bach Festival】https://juniorbach.org
受験資格は18 歳まで。ソロの他、アンサンブルでも受験することができる。基本的にバッハの曲で受験する。ブラインド・オーディション形式。2021 年のオーディションは、ビデオ審査で行われる。


【USIMC-United States International Music Competition】https://www.usimc.org
ピアノ、バイオリン、ビオラ、チェロ、ボーカル、マリンバ、ハープ、ギターの各ソロの他、ピアノデュエット、ピアノコンチェルト、室内楽、ボーカル・アンサンブルでも受験できる。また、中国の伝統楽器での演奏カテゴリーもある。2021 年の実施方法についてはまだ未定。


【US Open Music Competition】https://www.usomc.org
年齢、楽器、作曲家の時代別カテゴリーなどが、細かく分かれる。一人で複数のカテゴリーを受験可。課題曲のリストあり。2021 年のコンペティションはライブ・オーディション形式にて、オークランドで行われる。


【SF Chopin Competition】http://www.chopinsf.org/competition.html
ピアノのみ。2020 年に引き続き、2021年の開催は中止。全米ショパン協会サンフランシスコ支部主催。オール・ショパンプログラムでの受験となる。15 歳以下。

【US New Star Competition】https://www.usansmc.org/our-competitions
バーチャル(ビデオ審査)のみ。通年でさまざまなカテゴリーのコンペティションを行っている。ピアノが主だが、昨年から、弦楽器、ボーカルのカテゴリーにも拡大した。

【San Jose International Piano Competition】https://sjipc.com
国際コンクール。ピアノのみ。2020 年度分は、今年2021 年に延期。今年は高校生以下の部、翌2022 年は、18 歳~ 32 歳までの大人の部、と隔年で年齢別に開催。

【Klein Competition】 https://www.californiamusiccenter.org
国際コンクール。弦楽器(バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス)のみ。15 歳~ 23歳まで。昨年は、バーチャルでの開催となった。今年の本選については、どのような実施方法になるかは未定。

【Stulberg International String Competition】https://www.stulberg.org
こちらは、ベイエリアではないが、ミシガンで行われている弦楽器のみの国際コンクール。18 歳以下。予選、セミファイナル、ファイナルを経て入賞者が決まる。

◆ニューヨーク・カーネギーホールで演奏できる、主なコンペティション・オーディション

【American Fine Arts Festival】http://afafestival.com
通年を通して、様々なカテゴリーで受験可。ビデオ審査の他、ライブでのコンペティションも行っていたが、今年のライブ・オーディションは未定。ソロ、アンサンブルなど、様々な形態で参加できる。

【American Protégé】https://americanprotege.com
通年を通して、様々なカテゴリーで受験可。ビデオ審査のみ。Weill Recital Hall (小ホール)での演奏の他、Summer Gala Concert では、Stern Auditorium (大ホール)での演奏も可能。

【Manhattan International Music Competition】
https://www.manhattancompetition.com
イーヴォ・ポゴレリッチ監修の音楽コンクール。各賞入賞者は、Weill Recital
Hall で演奏できる他、CD アルバムもリリースできる特典がある。

◆National Competition 全米規模のコンペティション

ローカルコンペティションに比べ、入賞するのは大変だが、入賞すれば評価され、大学入試等で有利になる可能性もある。

【National YoungArts Foundation】https://www.youngarts.org/competition
高校生(15 歳~ 18 歳) 対象の全米規模のコンペティション。音楽に限ら
ず、絵画やダンス、フィルムや写真、文学での応募も可。Finalist に選ばれる
と、US Presidential Scholar Award を受けられるチャンスも。Finalists, US
Presidential Scholar Award の受賞者は大学受験に大いに有利。

【Fischoff Chamber Music Competition】https://www.fischoff.org/competition/
数少ない、室内楽のコンペティションとして有名。3〜6名の指定されたアンサンブル形態で受験する。ジュニア(高校生以下)とシニア(35 歳以下)の部に分かれる。シニアの部の優勝者は、賞金の他、国内ツアーや音楽祭への参加も副賞として提供される。