去る7月11日、 Sausalito の老舗レストラン Spinnaker において、Kioke Shoyu tasting event が開催された。
近年、日本伝統文化のひとつである木桶造りが絶滅の危機に直面している。
和食の基本調味料である、醤油、味噌、味醂、酢、日本酒などは、江戸時代までは木桶によって生産されていたが、近代化に伴い木桶に代わるステンレスやプラスチックによる生産方法に移行するなかで、木桶造りが衰退した。今では、たった1社の木桶製造会社が存在する現状になってしまった。2012年、香川県小豆島のヤマロク醤油5代目山本康夫氏の呼びかけにより「木桶職人復活プロジェクト」がスタートした。木桶に関わる食品メーカーや流通業者、大工や料理人などが集まり、毎年1月に小豆島で新桶づくりをしている。技術を広く共有することで、木桶のメンテナンスや組み上げができる人材が全国に増える兆しがみえてきた。木桶仕込み醤油の流通量 1%を奪い合うのではなく、品質では競争をしながら皆で協力して PR を行い 1% を2% にすることを目指している。ここでつくられた新桶が各地の蔵元に運ばれ、遠くは海を渡りイタリアのクラフトビールブルワリー BALADIN に届けられるなど、広がりをみせている。
木桶職人復活プロジェクトウェブサイト: https://www.s-shoyu.com/kioke
Kioke Shoyu: kioke.jp
今回は「木桶仕込み醤油輸出促進コンソーシアム」の取組の一環として、ベイエリアの非日系レストランのシェフや食品関係者等を招いて、伝統的な木桶調味料の魅力を紹介するイベントが、農林水産省の農林水産物・食品輸出プロジェクト(GFP)を中心に、サンフランシスコ総領事館とJETROサンフランシスコの支援により開催された。
日本からは、
弓削多醤油株式会社 弓削多洋一氏 https://yugeta.com/
日東醸造株式会社 蜷川たいすけ氏 https://nitto-j.com/
伊勢蔵株式会社 式井一博氏 https://isegura.thebase.in/
らが参加した。
木桶醤油、味噌、酢の製造工程を、ビデオやプレゼンテーションボードを使って詳しく説明し、質疑応答にも対応した。
ベイエリアの有名シェフによる、木桶醤油、味噌、酢を使った素晴らしい料理サンプルがふるまわれ、ますます観客たちの関心を集めた。JETROからは、茨城県の常陸牛が紹介され、味噌ベースのソースと共に調理された。
参加シェフ:
Ron Siegel, MADCAP
Takamori Wada, Sushi Ran
Kiyotaka Ido, Sushi Ran
Hirom Diaz, Spinnaker
木桶職人復活プロジェクトウェブサイト: https://www.s-shoyu.com/kioke
Kioke Shoyu: kioke.jp