第34回:一般大学の音楽プログラムについて <ノースウェスタン大学編>

 みなさま、こんにちは。シリコンバレーでピアノ教室を主宰している、有座なぎさです。「音楽教育のススメ」と題したコラムを毎月第四週目に担当させていただいています。

 今回は、シカゴにあるノースウェスタン大学の音楽プログラムについてご紹介しようと思います。ノースウェスタン大学・エヴァストンにあるBienen Music Schoolは、ミシガン湖の畔に浮かぶ、ガラス張りのヨットのような美しい佇まいです。大学へのアクセスはとても便利で、シカゴ市内からもオヘア国際空港からも車で30 分ほどの距離にあります。2015年に建設された、新しい音楽棟Ryan Center for the Musical Arts の中にある、Galvin Recital Hallは、ステージの背景にミシガン湖の眺めを楽しみながら音楽が聴ける、息を呑むほど美しいホールです。

 Bienen Music School のカリキュラムはとても充実しており、ピアノ、ヴォーカル、ストリングス、ブラス、ウィンド、パーカッションの各楽器の演奏学科の他、作曲、音楽教育、音楽学、楽典、ジャズ専攻などがあり、コンサヴァトリーと比較しても遜色はありません。また多くのアンダーグラッド(学士過程)の学生が、double major または、dual degree で学んでいることは、ダブルメジャーを目指している生徒さんにとっては、願ってもない環境といえそうです。ノースウェスタン大学は、四期制のシステムを採用しており、そのため、一学期は、10 週間という短いスパンで回っていきます。四期制は、新しいクラスを色々試してみたい人には適している反面、二期制のように半年間をかけて一つの科目をじっくり学びたい人には、ややせわしなく感じるかもしれません。大学が四期制であることも、学校側が、double major (minor)、dual degree を推奨している所以とも言えそうです。私の元教え子で、今年ノースウェスタン大学を卒業したK ちゃんは、ピアノ・パフォーマンス専攻とBachelor of Arts in Neuroscienceのdual degreeを四年で終えました。音楽だけでなく、University の幅広い選択肢の中から、自分の興味のある分野を選択して、音楽の勉強と平行して学べるのも、ノースウェスタン大学の音楽プログラムの特長であると言えるでしょう。

 ただし、冬は、まつげも凍る寒さです。大学の学生には、24/7、一定の温度で管理されている楽器室に自分の楽器を保管して置けるシステムがありますが、受験生にとっては真冬の極寒期にオーディションがあることを十分考慮する必要があります。

Northwestern University
https://www.northwestern.edu