カリフォルニア x リースリングの可能性

カリフォルニア産の白ワインというと、やはり一番知名度高く人気なのはシャルドネ、次いでソーヴィニョン・ブラン。どちらも国際品種で、聞きなれない品種より手を伸ばしやすく、また、お手頃価格のものから、ブルゴーニュの特級畑クラスやボルドーの一級シャトーと比較されるような最高級品質のものまで幅広いチョイスがあるのも魅力。

一方、同じく国際品種で生産量も多く、最高品質のものが作られているにもかかわらず、あまり目立っていない白品種がリースリング。

リースリングの産地として最も代表的な国はドイツですが、お隣のオーストリアやフランスのアルザス地方、そしてアメリカやオーストラリアなど広く生産されています。

その魅力は、華やかな香り、軽やかで繊細な味わい、生育条件によりドライワインにもデザートワインにも仕上げられる多様性、驚くほどの超長期熟成能力など、多彩な魅力があります。

カリフォルニアでも、リースリングは19世紀半ばの開拓時代に持ち込まれ、第2次大戦後にワイン産業が再興した際も、多くの畑で積極的に植樹・生産されましたが、1970年代以降、重厚感があり樽の風味も効かせた味わいの人気が高まり、当時質より量を重視して低品質低価格路線が主流だったリースリングは、消費者の嗜好に合い実入りも良いカベルネ・ソーヴィニョン種などに植え替えられ、生産量も大幅に減少しました。

しかし近年、Wirz vineyardなど流行に左右されることなく質の高いリースリングを静かに栽培し続けてきた畑と、StirmやTatomerなど品質重視の才能あるワインメーカー達により、品種本来のもつ魅力が詰まった高品質のリースリングが着実に生み出され、カリフォルニア産リースリングの可能性が証明されています。

そして流行は変わるもの、重々しい味わいから現在はよりバランス重視の、飲み疲れしない味わいを好む消費者が増え、リースリングの魅力が再認識されつつあります。

流行云々はさておき、軽やかで繊細な味わいは和食との相性も良し。リースリングの魅力を試してみてはいかが?