バーチャルハッピーアワーのススメ

世界各地で新型コロナウイルスの猛威によるロックダウンが継続されていて、ワイン業界は世界的に大きな打撃を受けています。世界のワイン産業についてデータ収集分析している国際組織OIV(The International Organization of Vine and Wine)が4月23日に発表した業界情勢レポートの中でも、パンデミックの状況下でワイン消費・売上は大幅に減少し、結果ワイン生産者の利益も減少するだろうという厳しい予測が発表されました。

ベイエリアでも外出・営業制限が始まって1ヶ月半以上経ち、制限が5月末まで再延長されることも決定しました。ワイナリーもバーも閉まったまま、レストランも持ち帰りのみ。家飲み一択だけれど、せっかくだから、家飲みをもっと楽しくするサービスやアイディアをご紹介。

まず気軽にできてオススメなのが、バーチャルハッピーアワー。友人たちとバーに集まってハッピーアワーを楽しむ代わりに、それぞれが家で好きな飲み物を飲みながら、ウェブ動画アプリを使ってグループチャットをするだけ。私もやっていますが、お気に入りの飲み物を片手にウェブ動画で友人と話せたら、100%ハッピーアワー気分。

家で本格的なテイスティング体験ができる、バーチャルテイスティングを提供するワイナリーもこの状況下でぐっと増えています。ウェブ動画を活用して、ワインメーカーやエデュケーターが解説したり、一緒にテイスティングしたりするもの。ワイナリーが事前に配信日時とテーマやテイスティング予定のワインをアナウンスし、事前申し込みをすれば参加できます。テイスティング予定のワインは、ワイナリーのウェブサイトから事前購入できるようになっています。家にいながらワイナリーを訪問している気分を味わえるサービスです。

家飲みの大きなメリットの一つは、お得に楽しめること。レストランやバーのワインの価格には、サービス料が入るために、小売店での販売価格より当然高くなり、地域やお店によって違いますが、ベイエリアでは通常小売の2.5〜3倍の価格でオンリストされています。レストランやバーの雰囲気やサービスを味わえないのは寂しいけれど、家飲みなら、同等のワインを二分の一、三分の一の価格で楽しめる。もしくは浮いたお金でいつもよりワンランク上のワインを楽しむこともできる。

この機会に家飲みの楽しさを再発見してみてはいかが?

【写真のワイン】
Grimms Bluff, Sauvignon Blanc, Happy Canyon, Santa Barbara, 2017


Grimms Bluffは、サンタバーバラのハッピーキャニオン地区にあるバイオダイナミクス栽培の自家畑で、カベルネ・ソーヴィニョンとソーヴィニョン・ブランを栽培しています。ワイナリー設立当初からPaul Lato氏がワインメーカーを務めていましたが、2017年からはStorm winesのErnst Storm氏がワインメーカーを引き継いでいます。