第64 回 :★日本とアメリカの学費の比較 2021 年版★

今回は、アメリカと日本の大学の学費の違いについてのお話をしたいと思います。日本では国公立大学の学費は全国ほぼ一律ですが、アメリカでは公立であったとしても大学ごとに大きく異なります。
 アメリカの公立大学である州立大学は州政府からの財政援助(税金)で運用されていますのでその州の住民(納税者)であるか否かで授業料に差をつけています。「州外民」は追加授業料を払う必要があり、学費が2 ~ 3 倍以上に膨れ上がります。この「州に住んでいる」とみなされる条件は大学によって異なります。本人、親の居住ステータスや最低366 日以上継続してその州に住んでいる証明、Tax Return 証明などは最低条件として求められます。
 アメリカの私立大学は日本のように税金からの補助金はありません。すべての経費を授業料や寄付に頼る独立採算となっています。ですので、大学ごとに授業料の差が大きくなっています。また、アメリカでは私立大学のレベルが州立大学と比較して高い傾向にあり、日本の一流大学と言われるところに国立大学が多いのとは大きく異なります。

 授業料以外の費用として、住居・食事・学用品なども忘れてはいけません。こちらも見積もりは各大学が発表しています。1 年生の時には学生寮に半強制で入れられるところが多いようです。2 年生以降に寮を出る人もいるようです。寮を出れば生活費はさらに高くなります。今回、これらの費用はアメリカで進学する場合は必ずかかる費用として学費に入れております。また、そもそもアメリカの大学を4年間で卒業できる割合は州立大学で33.3%、私立大学で52.8%です。医療系やSTEM 系は更に割合が下がることが多いようです。ちなみに日本では約90%と推計されております。
 また、日本でも一人暮らしをする場合には、平均一人10 万円(年間120 万円)の仕送りを追加して4 年間合計は+480 万円となります。
 また、アメリカの場合は「授業料のインフレ」も深刻です。州立も私立も値上がりの一途をたどっています。全米の州の財政状況は悪化しており、州立大学への財政援助が大幅に削減される傾向にあります。UC バークレーを例にとると、20 年前の年間授業料は州内、州外とそれぞれ現在の約3 分の1 であり、10 年前は約半分でした。この先10 年、15 年と同じ学費のままということは考えづらく、インフレも考慮した上での準備が肝心です。

貯蓄計画や学資保険をとにかく早く始める事が大事!

 学費の準備には銀行預金の他にも529 プランや、民間の保険会社の学資プランなど様々な選択肢があります。アメリカは日本よりも奨学金の種類も豊富で、返済不要なものもあります。大学進学というのは、お子様が18 歳前後の決まったタイミングでやってきます。情報はできる限り沢山最新のものを仕入れて下さい。
 また、どのような手段で貯めるにしろ、使うタイミングが決まっている以上、最も効率的に月々の負担を軽く貯める方法は「とにかく早くはじめること」です。後回しにすると辛くなりますので、できるだけ早い時期に目標を定め、貯める手段を比較し、お考えに合うものをお選びください。