カリフォルニア白ワインの代表品種、シャルドネ。お店でも常時50種類以上のシャルドネを取り扱っている一番人気の白ワインで、多くの人にとってもすでに馴染み深いシャルドネ。でも、育ち方や造り方によって、品種で一括りにしきれない多様な味わいになることを知っていますか?
まずは育ち方。シャルドネがこんなにもたくさん生産されている理由は、人気があって需要があるからということももちろんですが、冷涼な場所から温暖な場所まで、幅広い気候条件で栽培できるという造る側の利点もあります。海に近く霧に包まれる時間の長いSonoma CoastやSt.Rita Hillsなどの冷涼な畑で育ったシャルドネは、青リンゴやレモンなどの果実味が強い味わいとなり、海から離れ霧の影響も少ないナパバレーなどの温暖な畑のシャルドネは、桃やパイナップルなどトロピカルフルーツの風味が強くなります。BaxterのMendocinoシャルドネは冷涼な味わいの、LewisのNapa Valleyシャルドネは温暖な味わいの好例です。
次に、収穫後の製造過程でシャルドネの味わいに影響を与える要素の一つが「木樽」、特に新樽は味わいに大きなインパクトを与えます。樽の種類や加工法にもよるのですがすが、最もよく使われているのがフランス産の新樽を中程度燻したもの。このタイプの木樽で熟成させたシャルドネは、木樽との化学反応や、木目の隙間からゆっくり進む酸化によって口当たりも味わいも変化し、バニラやトースト、ヘーゼルナッツなどの柔らかく香ばしい風味をまとった味わいとなります。英語で“oaky”な味わいと表現され、前出のLewisやRombauerはOakyなスタイルの代表的生産者。
対照的に、木樽を一切使わずステンレスタンクで造られるシャルドネは、ピュアでストレートな果実の風味がギュッと詰まった味わいで、樽を使ったものとは全く違う印象です。このタイプはよくラベルに“unoaked”と記載されています。Williams Selyemは樽を使ったシャルドネとUnoakedを両方造っていて、飲み比べると同じ造り手でも樽使いの有無で違う味わいになることがよくわかります。
馴染み深いと思っているシャルドネが実はいろんな顔を持っている...。いろんなシャルドネを試してみたくなってきませんか☆