ブドウの生命力を味わう、2015年ヴィンテージ

8月が始まりました。史上最も収穫の早かった2014年は、7月末にはスパークリングワイン用のブドウの収穫がすでに始まっていた頃。先週ナパへ行き、このワイナリーへも立ち寄りましたが、今年は例年通りまだ収穫前、収穫が始まるのは8月中旬くらいになりそうだとのこと。ワイン産地に通っていると、年によってブドウの発芽も、生育も、収穫のタイミングも異なり、それがヴィンテージごとの味わいの違いとなることを実感します。

ナパバレーで主流の高級赤ワイン、 カベルネ・ソーヴィニョンは、樽熟成期間を経て瓶詰めされるため、市場に出てくるのは収穫年から数年後。最近発売され始め、今秋本格的に出回るようになるのが2015年ヴィンテージ。この2015年、実は、高品質ながら生産量が少ない希少ヴィンテージとして、すでに小売店では争奪戦が始まっています。

ブドウの木は冬に休眠をして、翌年のための養分を蓄えますが、2015年、この年も前年に続き1〜2月の雨が少なく暖かかったので、すでに3年間の旱魃を堪えたブドウの木は、またもやゆっくり滋養する間もなく早々と発芽しました。また、ナパバレーでは、ブドウが花を付ける時期に気温が下がり、花がダメージを受けて実を減らす一因となりました。

4年目の旱魃に加え、2012年から3年間、例年以上に多量の実を生産し続けた後の年。それでも、ブドウの木の生命力は凄まじいもので、水が少なく厳しい環境であるほど、必死で子孫を残そうと果実に栄養を凝縮させます。2015年は、そんなブドウの木の底力が発揮された結果、それぞれの木がつけた実の数は少なく、しかも小粒だったのですが、その小さな実一つ一つに味わいが凝縮され、長期熟成にも耐え得る高品質なブドウができました。

有名なContinuumワイナリーの畑では、収穫量が例年の約半分だったとのこと。その他の畑でも、例年の6〜7割だったところが数多くあり、入手困難な銘柄もありますが、ブドウの 生命力が凝縮された 2015年ヴィンテージ、ぜひ味わってみてくださいね。他のヴィンテージとの飲み比べもオススメです☆