Nice Air Aviation航空整備士 – Akiさん

◆Aki
サンノゼ生まれ、大阪育ち。5才までサンノゼで過ごした後、日本へ帰国。大学卒業後に日本の航空整備会社に就職し、働きながら勉強し、1回目の受験で二等航空整備士の合格を勝ち取る。現在、サンノゼにあるNice Air Aviationにて整備士として就業しながら、アメリカの整備士ライセンスであるA&P取得に向けて勉強中。InstagramやYoutubeなどで、アメリカの整備士の仕事の様子やアメリカの生活を配信し、整備士を目指す人たちにエールを送っている。
Instagram: @nice__aki
Youtube: @AKi アッキー

 航空業界に憧れを抱く人は、今も昔もとても多い。青い空を自由に飛び回るロマンは、私たちを惹きつけてやまない。今回は、サンノゼにあるNice Air Aviationで航空整備士として働く、笑顔が爽やかなAkiさんを特別にJ weeklyがインタビューしました。

|航空整備士になったきっかけを教えてください。
 サンノゼで生まれ、5才で日本に帰国しました。その後は航空系の大学や専門学校などに進学したわけではなく、普通の四年制の大学に進学しました。航空業界でパイロットや整備士を目指す人の経路としては、そういった専門学校に進学し、国家資格を取得することがほとんどですが、僕の場合は大学での専攻は社会学科だったので、航空業界とは縁がなかったのです。
 そんな中、大学卒業後に航空整備会社に就職し、日々の業務の中で整備を覚えていくうちに、社長から「二等航空整備士の資格に挑戦してみないか」と声をかけていただきました。その時点で試験までの日程は迫っていたのですが、せっかくの機会なので全力を尽くして勉強することに決めました。仕事以外の時間は全て勉強に費やし、分厚い教科書と格闘しながら、毎日8時間以上は机に向かっていたと思います。二等航空整備士の試験はまず法規、機体、ピストン発動機、電子装備品の4教科を含んだ学科試験があり、そこに合格して初めて基本技術という試験を受け、実地試験を受けるという流れです。実技試験では、実際に機体に触れ、技術を審査されます。国家資格なので厳しい審査でしたが、一発合格することができました。会社の人たちも自分の事のように喜んでくれて、本当に嬉しかったです。試験合格後は、より自分の可能性を開きたいと考えるようになり、アメリカで挑戦したいと思い、サンノゼにあるNice Air Aviationに整備士として就職しました。サンノゼ生まれの僕にとって、戻ってきた、という感覚でした。

|NIce Air Aviationでは、どんなことを学べますか。
 この会社はフライトスクールで日本人が経営しており、パイロットになるための教育環境が整っていて航空技術関連の様々な試験をここで受験できます。ハリウッドの有名なセレブもここで自家用機の操縦ライセンスを取得したようです。パイロットの資格を取得するためには時間もお金もかかりますが、アメリカでしたら費用は約半分程で抑えることができるので、日本からの生徒さんも多いです。

|小さい頃はどんなお子さんでしたか。
 今は航空整備士として細かい作業もこなしますが、小さい頃はプラモデルも組み立てられないほど不器用で、母には「壊し屋」と呼ばれるほどでしたね。夏休みの図工の宿題も苦手で、ほぼ親に手伝ってもらったりしていました。性格も比較的大人しくて目立ちたがり屋ではなかったのですが、中学時代に始めたテニスに夢中になり、大会で賞をもらったり、テニス部の副部長を務めたので、徐々に性格が活発になってきたような気がします。手先が不器用で、目立ちたがり屋ではなかった自分が、アメリカで航空整備士として働き、YoutubeやInstagramで自分のことを配信しているなんて、昔からは想像もつきませんが、環境や縁によって人の特質や性格は変わっていくんだなと思います。

|仕事をしていて、やりがいを感じる時はどんな時ですか。
 自分が整備した飛行機が実際に空を飛んだ時ですね。また、整備士としての仕事の他にも、航空学校の生徒さんのケアをすることもあります。何ヶ月も異国に滞在し一生懸命勉強して、ライセンスを無事取得して喜んでいる姿を見たり、「ありがとうございました」と声をかけてもらえると、本当に嬉しいです。

|自分の考える「世界平和」について
 Nice Air Aviationには、ハワイの真珠湾で爆撃をした機体のレプリカ機があります(写真上)。1970年に公開された「トラ・トラ・トラ」という映画にも登場しており、実際に動きます。この機体を見るたびに、戦争を経験した世代が高齢化していく中で、僕たち若い世代が平和な社会を作る使命を感じています。飛行機は、人間の考え方次第でどうにでも使われるものですが、人を助けたり平和の手段に使われるべきです。
 会社に隣接するリードヒルビュー空港はCal Fireのヘリでの消火活動の拠点に使われており、航空機や消炎剤が置かれ、カリフォルニア周辺の山火事の消火活動に重要な位置付けをされています。消炎剤を積んでは空に戻るヘリを見送りながら、一日も早い山火事の収束を願っています。
 また、世界各国からフライトスクールに集まった生徒さんたちが仲良く団結している姿を見ると、国家レベルではなく理念や政治の壁を超えて、ここに世界平和があるんじゃないか、と感じるようになりました。YoutubeやInstagramで、日本で整備士を目指す高校生たちからの質問に答えていると、感謝されることが多々あり、この人と人のつながりが「世界平和」に繋がっていく、と感じています。自分ができることからしっかり貢献したいと思います。

|J weekly読者へのメッセージ
 インタビューを最後まで読んでいただき、ありがとうございました。自分は、頭も良い方ではないし、手先も不器用で機械音痴ですけど、何かになりたいって本気で想えば、何でもなれるんちゃうかなって思います。読者さんの中でいま何か追いかけているものがあったら、諦めずに夢を追いかけてください!努力は必ず報われます。そして、よかったらYoutubeチャンネル登録をどうぞよろしくお願いします(笑)。

Nice Air Aviation
2575 Robert Fowler Way, San Jose, CA 95148
 (408) 729-3383
http://www.niceairaviation.com/