第30回 一般大学の音楽プログラムについて <コロンビア大学編>

 みなさま、こんにちは。シリコンバレーでピアノ教室を主宰している、有座なぎさです。「音楽教育のススメ」と題したコラムを毎月第四週目に担当させていただいています。今回から数回に渡って、アメリカの一般大学の音楽プログラムについて、ご紹介していこうと思います。
 まず、トップバッターは、アイビー・リーグの上位校である、コロンビア大学です。コロンビア大学は、ニューヨークのマンハッタンに位置しており、その歴史は古く1754年創立とあります。最近では、オバマ元大統領の出身校としても有名ですね。
 さて、コロンビア大学は、音楽のカリキュラムが充実していることでも知られています。そのため、音楽の才能に秀でた学生を積極的に取っている印象を受けます。少し前の話になりますが、歌手の宇多田ヒカルさんがコロンビア大学に入学したことが話題になりましたね。
 コロンビア大学の音楽プログラムは、Music Performance Program (MPP) と呼ばれ、コロンビア大学オーケストラを始め、Chamber Music Ensembles (室内楽)、Jazz Ensembles、Piano Duo など様々な活動をしています。また、日本の雅楽 (邦楽) のコンサートも定期的に行われており、レッスンの他、日本から雅楽の演奏家を招聘したりもしています。

 1年間で得られるMPP での演奏会の機会は、音楽大学での演奏の機会よりも多いくらいです。例えば、ジュリアードでは、希望すれば一年に一度、ソロ・リサイタルの機会が与えられますが、時間は1時間とかなり限られた機会であるのに対し、コロンビアのMPPでは、少なくとも三ヶ月に一度はソロやジョイント・リサイタルでパフォーマンスすることが可能です。また、マスタークラスで大学内外の演奏家たちから、公開レッスンを受けることもできます。この他、オーケストラやコーラス、パーカッション、ジャズとクラシック音楽のコラボ・アンサンブルなど、幅広い音楽活動ができる機会が用意されています。音楽大学に進学するほどではないけれど、高校まで音楽を真剣に学んできた生徒さんにとって、学業だけでなく、音楽も学べる機会が多いコロンビア大学は、とても魅力的な大学なのではないでしょうか。


コロンビア大学 Music PerformanceProgram についてはこちらから
https://mpp.music.columbia.edu/

コロンビア大学 MPPのアンサンブル活動内容についてはこちらから
https://mpp.music.columbia.edu/ensembles